内容説明
劇団の看板女優・清水伶奈がストーキングされているという。脚本家の亀井明月は、ハチヤというストーカー男を追い払ってほしいと頼まれた。が、すぐにその必要はなくなった。この男が死体となって見つかったのだ。(「表題作」)臨床犯罪学者・火村英生が鉄道トリックを華麗に暴く表題作をはじめ、本格ミステリ全四編を収録した傑作作品集!
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年大阪府生まれ。’89年、『月光ゲーム』でデビュー。2003年、『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞を受賞。’08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞。’17年『幻坂』で第5回大阪ほんま本大賞受賞。’18年「火村英生」シリーズで第3回吉川英治文庫賞受賞。’22年、第26回日本ミステリー文学大賞受賞。現代本格ミステリの代表的な書き手として、多くの読者を魅了している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
77
最近疲れ気味で心を動かす名作よりも淡々と読める小説を求めて手に取った。作家アリスシリーズの短編集。表題作は苦手な時刻表トリックだったけど比較的すんなりと理解できた。他にも、アリバイ崩し、ダイイングメッセージなどコテコテとも言える推理劇を楽しむことができて、良い気分転換になりました!2024/07/07
coolgang1957
60
文庫新装版が図書館の新刊棚にあったので借りてきましたが、初出はもう20年も前やそうです。時間が経っても色褪せずと言いたいとこですが流石に今となってはレトロというか有栖さんの愛読者にとっては懐かしい本でしょうね😆4編載ってましたが大阪在住のボクには、土地鑑ありありで、特に表題作は南海、JR阪和線沿線に暮らしているのでハルカもラピートも(ついでに新快速も🤣)お馴染みなのでトリックは明らか。謎解きを誰かに自慢したくて……そんな読み方で楽しい時間を持たせていただきました。2023/07/27
あつこんぐ
33
火村に隠れててわからないけど、アリスも結構博識だなぁと思うのは私だけでしょうか。今回は火村とアリスのイチャイチャが少なめで消化不良でしたが、サンドイッチが食べたかった火村先生とそれに気づかず全部食べてしまったアリスのやり取りにニヤッとしてしまいました。火村先生にも可愛いところがあるんですね。シャングリラ十字軍も出てきて、このシリーズを初めから読み直したくなりました。やっぱり火村×アリスは最高です。2024/07/12
キナコ
29
短編ミステリー。全四編。古典的な双子のトリックかと思っていたら、また違った切り口で楽しめた。人の思い込みや自己中心的な考え方をうまく取り入れている作品。個人的には表題も好きだが『比類のない神々しいような瞬間』が好き。火村先生が全面で出てるわけでもないのに存在感が強いなぁ。2024/04/04
ピース
26
短編集で今回も面白かった。中でも表題作が印象的。数々のアリバイトリックを擁し逃げる犯人を火村がジワジワ追い詰める様子は何とも言えない緊迫感があった。2025/01/25