内容説明
ついに矢背家に婿入りして、御膳奉行となった求馬。初の毒味を無事に終えると、目の前に「矢背家の用人」を命じられたという浪人風の男、佐山大五郎が現れた。槍の名人という佐山は、配下として探索に動いてくれることになり、矢背家も御用を務めるに盤石な態勢となった。しかし、佐山が、消息を絶つ―。将軍の毒味役鬼役の矢背家、初代の物語、待望のシリーズ第四弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。その作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは驚異の7カ月連続刊行で話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
127
最新刊は第四弾!どうしても本家と比べたくなる気持ちを抑えて··(いやいや、こちらが初代ですから~)求馬の初々しさが好い感じに慣れてきた感じがする。今回は『従者』こちらも串部がちらつくが、佐山大五郎!楽しみな従者が登場した次第。槍の名人でもあり明るく、純で、まさに忠心を備えた相棒なり。次も必ず読みまする。2022/12/29
KAZOO
89
前回で、指導役の鬼役が切腹していよいよ本格的な毒見役を主人公は果たしていくことになります。そこへ従者ということで、槍の名手が出てきます。この従者も訳ありの人物でしたが、本編の用人と同様にかなりの手練れということです。やはり主人公一人では依頼される仕事の裏付けを取っていくことは大変なのでしょう。婿入りしたものの、嫁さんとその付き添いの猿婆には頭が上がりません。本編が終わりそうな気配なのでこちらを続けていくことになるのでしょうか?2024/09/26
やま
60
① 将軍の毒味役「鬼役」の矢背家初代の物語です。時は、元禄十六年(1703)。犬公方と言われた第五代将軍、徳川綱吉の治世。鹿島新當流の遣い手で膳奉行支配同心の矢背求馬(もとめ)は、半年前までは千代田城の中之門を守る百人番所の番士であったが。御家人随一の遣い手という触れ込みが老中秋元但馬守喬知(たかもと)の耳に届く。試練とお試し御用を経て、二百俵取りの旗本で膳奉行・矢背家の初代当主で薙刀の達人、志乃の婿に抜擢される。矢背家の膳奉行は、鬼役といわれ秋元但馬守から密命が下される。→2023/03/17
ぶんぶん
23
【図書館】「鬼役伝」の四巻目である、ここで従者の佐山大五郎が登場する。 これで、本来の鬼役御用が出来つつある。 好漢・大五郎が槍の名手として現れる、本家の「脛斬り」と同等の活躍を見せる。 さあ、これからどんな悪人が出て来るのであろうか、坂岡氏の腕前披露という事になるのでしょうが、益々の熱筆を期待したい。 もう少し剣戟のシーンがリアルだと、もっと楽しいのだが・・・先ずは楽しませて戴きました。2023/03/25
ひさか
22
2022年10月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ4作目。古着屋騒動 、差腹、手向けの槍、の3つの連作短編。初代の鬼役である求馬と志乃に佐山という配下が就いた。ダイナミックで緊迫した展開は楽しめたが、旧シリーズと似ているようであり、似ていないようであり、うーん、代わり映えは、しないと思う。もっと違いが欲しいです。2023/06/02