内容説明
入社当日、私の前に現れた部長は身長三センチほどしかなかった。ハンデをものともせず、バリバリ仕事をこなしているように見えたのだが…。(「一寸上司」)物々交換のプロ集団たちの会社。彼らは日夜、クライアントの目的の物を手に入れるべく、あの手この手で奮闘していた。(「わらしべエージェンシー」)なじみ深い昔ばなしを鮮やかに生まれ変わらせた12編。
著者等紹介
田丸雅智[タマルマサトモ]
1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。2011年、『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。’12年、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。「海酒」は、ピース・又吉直樹氏主演により短編映画化され、カンヌ国際映画祭などで上映された。坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務め、また、全国各地でショートショートの書き方講座を開催するなど、現代ショートショートの旗手として幅広く活動している。書き方講座の内容は、’20年度から小学4年生の国語教科書(教育出版)に採用。’21年度からは中学1年生の国語教科書(教育出版)に小説作品が掲載。’17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
142
田丸雅智マジック炸裂といったところでしょうか。日本昔ばなしと現代を、うまく融合させたショートショート。よくここまで、日本昔ばなしに“現代”という名のスパイスを入れてきたのかと感心してしまいました。どの話もたんたんと進むので、ちょっと単調かなという思いもしますが、そこは昔ばなし。どの話も、いつまでも長年にわたって読み続けられそうです。田丸雅智ワールドの日本昔ばなしを堪能。一家に一冊あってもいい作品ではないかと思います。2022/12/31
takaC
14
おとぎカンパニーシリーズはどんだけあるんだ?無印、日本昔話編、妖怪編、モンスター編、遅刻する食パン少女の5冊?あれ?でも妖怪編は違う題名で文庫になっていたのを買ったような気がする。2023/01/26
えつ
12
前作に引き続き文庫で堪能しましたー!前作よりも好きだったかもしれない。今作は日本昔ばなし編で、やっぱり昔ばなしを大胆にアレンジしてて。なんかもう全部、楽しく面白く読めて良かった。ショートショートだから読みやすいしね。誰もが知っている一寸法師や桃太郎、浦島太郎などなど、田丸さんの手にかかるとこんなストーリーになるんだ!って驚く。わたしはわらしべ長者と平将門、那須与一のお話が特に好きだったかな。次も文庫化待つぞー!2023/01/02
ぷに丸
6
昔話に由来する不思議な人や現象がまかり通っている現代世界が舞台の短編がたくさん詰まっていました。垂れもが知っている昔話のような結末をどう生かしていくのかとワクワクしながら読むことができました。2023/02/14
END
4
日本昔ばなしを現代風にアレンジするとこんな感じになるのね。オリジナルよりも酷いめに合わなかったり、更に追加でオチがついている様なものもあり平和だな~と感じた。サクッとテンポ良く読めちゃうのも潔くてとても良い。平将門の話が1番好みではあったけど、あれって日本昔ばなしなのかな?という疑問はある。2025/04/12
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