内容説明
神様の通う屋内釣り堀カープ・キャッチャーの景品棚には、高得点でもらえる伝説の白い箱があった。箱の中身を知りたいバイトの明、箱を狙う父親、店主を脅す女性、幽霊を撮影する兄妹、謎のヒツギム人らが釣り堀に集う時、運命は動く。一匹の鯉を巡り、悩める者たちが人生をかけた大勝負。怒涛の展開で大興奮、超絶技巧、名手道尾秀介の人生を変えるミステリー。
著者等紹介
道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年、東京都出身。2004年、『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。『向日葵の咲かない夏』が話題となり、一大ベストセラーに。’07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞受賞。’09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞受賞。’10年『龍神の雨』で大藪春彦賞受賞、『光媒の花』で山本周五郎賞受賞。’11年『月と蟹』で第144回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
77
いやーやっぱり面白い。単行本でも読んでたけど文庫版出たので再読。内容ほぼ忘れていたので二度楽しめました笑 シンゴ!!2023/01/20
相田うえお
74
★★★★☆23045【サーモン・キャッチャー the Novel (道尾秀介さん)】ページを開くと九つのカラーイラストが目に飛び込んでくるんですけど、なんとなく不思議なタッチというのもあって、いつまでも見ていられる素晴らしさなんですよー。さらに文字フォントを部分的に大きくしたり小さくしたりしてるのも面白い〜!道尾さん作品は内容も楽しいけど『紙本』という昔ながらの媒体に新しい可能性を感じさせてくれますよね。さて、本作品、楽しかったですよ。単なる釣り堀屋とそこに関係する方々の話というだけではなく深かった〜。2023/06/27
ピース
38
一匹の鯉の預かり知らぬところで多くの人の生き方に大なり小なり影響を与えてるのが面白い。鯉自身も最後は人間から解放されて幸せになったんだよね。そうであることを願う。道尾さんらしい展開がおもしろかった。2024/11/17
mayu
31
うわぁ、なんだこれー。面白っ!!鯉を釣ってポイントを稼ぐ「カープ・キャッチャー」でバイトしている大学生の明、毎日の様に通う白髪白髭の老人、家無し便利屋の男、金持ちの女、車椅子の老女、対人恐怖症の兄とその妹。キャラの濃いどうしうもない人達のオンパレード。その誰も彼もが不器用だ。勘違いと偶然に翻弄され、どんどん思わぬ展開に繋がっていく。見事な伏線回収、そしてヒツギム語が何度もツボに入り吹き出してしまう。外で読まなくて良かった。読後は面白いものを読んだなぁという気持ちで満たされる一冊。2022/12/25
らび
26
道尾さんにしては軽くドタバタ劇のよう。屋内釣り堀のシステムが面白い。魚によってポイントがありそのポイントで景品と交換できる。妙に気になるヒツギム語・・小説より映画の方がより楽しめそうです。2023/04/09