内容説明
長く廓の用心棒であった神守幹次郎が吉原を率いる八代目頭取四郎兵衛に就任、御免色里の大改革が始まった。会所を救う驚くべき「金策」に始まり、大胆な改革を行う新頭取への嫌がらせや邪魔が続く中、切見世を何軒も手中に収めた主夫妻が無残にも殺される。背後に控える悪党の狙いとは。新体制で一人二役を務める大忙しの幹次郎は、荒波を乗り越えられるか?
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
88
主人公が吉原の八代目頭取を兼務して、吉原の復興を始めようとします。ところが金庫にはほとんどお金がなく、前の頭取は自分の懐から補てんしていたようで、最初の大きな仕事が金策ということになります。そこにめどがついたら今度は切見世をを所有しているあるじ夫妻が殺されて陰謀が渦巻く中で、また主人公が裏の顔で活躍をします。今後も結構続いていくのでしょうね。佐伯さんもこれと空也十番勝負(来年早々にも終わりの予定みたいです)だけになりましたのでね。2022/10/22
やま
61
幹次郎がんばれ(^-^) 官許の遊里吉原の運営に携わる四郎兵衛会所の七代目頭取・四郎兵衛の非業の死で急遽、京(京都)より戻って来た神守幹次郎が、四郎兵衛会所八代目頭取・四郎兵衛に就任する。幹次郎は、八代目頭取・四郎兵衛と、示現流と眼志流居合の遣い手の裏同心のひとり二役で活躍する物語です。2023/05/11
はにこ
39
四郎兵衛の顔と裏同心の顔の使い分けに悩む幹やん。衣装替えまでしてこれはギャグなのか?と思ってしまう。9代目になり、吉原にテコ入れしようとしていくのは面白い。邪魔が入るのは織り込み済みだが、どんな新吉原を築いていくのかこれからも楽しみ。2023/03/03
蒼
25
吉原会所八代目頭取四郎兵衛と裏同心神守幹次郎の使い分けがしっくりと来ず、ずっとまだるっこさを振り切れずいまひとつ盛り上がりに欠ける。それでもなんとか終盤になって、幹次郎自身が使い分けせずとも良いと思い切るあたりでようやく物語が動き出し、新たな見番所が出来上がったあかつきには麻の身の振り方にも決着がつくのかと期待してしまう。汀女先生と麻との歪な生活が1日も早く終わって欲しいと願う。2023/01/31
冴子
18
会所にお金がないことが判明したが、しかし四郎兵衛さん、皆に喋りすぎですよ。「ここだけの話にしておいて欲しいのだが」がすぐ広まるのは世の常。2023/05/26