内容説明
社会復帰したシリアルキラー“腸詰小僧”の独占インタビューに成功した西嶋の元を被害者の父が訪れ、本人に会わせろと迫る。一方、警察官をしている弟が浮気相手を妊娠させてしまったと泣きついてきた。追い詰められていく西嶋は…。(表題作)ジコチューな小悪人たちが、あっけらかんと起こす事件。まさかのどんでん返しに舌を巻くミステリー傑作集!
著者等紹介
曽根圭介[ソネケイスケ]
1967年静岡県生まれ。早稲田大学商学部中退。2007年、「鼻」で第14回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。同年、『沈底魚』で第53回江戸川乱歩賞を受賞し、ダブル受賞を果たす。’09年、「熱帯夜」で第62回日本推理作家協会賞“短編部門”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっち
36
曽根さん、何かのアンソロジーでお目にかかったことはあるのですがきちんと1冊読んだのは初めて。タイトルにもなっている『腸詰小僧』が秀逸!『解決屋』『留守番』もいい!2022/09/27
じゅむろりん
16
殺されずに登場するキャラの悪人率が9割超えてる短編集。曽根作品に出てくる「悪いやつ」は、一途で思い込みが激しく思考回路が迷走している変人。だから「悪いけどオモロい奴」でもある。胸糞悪くなる事もあるけど平山夢明のように最悪の着地点まで書かないのは、構成の妙で読者を騙すことに主眼が置かれているから何かな。と勝手に思ってます。ちょっと悲哀も感じる「解決屋」が好きでした。2023/09/16
ひろ
15
魅力的な四文字のタイトルとキッチュな表紙。『鼻』『熱帯夜』といった既読の短編作品に近いミステリの要素を感じ、期待と共に読み始めた。執筆時期は異なるが、統一性のある短編が7編まとめられている。各話が近しい構成をとっているが故に甲乙が際立ってしまう部分も感じた。ただ単体での質はいずれも高く、流石の面白さ。中でも「天誅」のブラックな締めくくり方と、「母の務め」のミステリとしての完成度の高さが印象的だった。2022/10/22
NAOAMI
15
ありえない設定をあるかも!という世界観に降ろして且つひねりを何重にも効かせる。短いストーリーの中で悪人達の思惑がひしめき合い、ミスリードとミスリードの隙間を縫って、思わぬ悪がまかり通る。作為に満ちた短編集で読み応えあり。「視点を変えてみろ」まるで違った景色を見つける四苦八苦を嘲笑うかのように読者を越えてくる。「天誅」二転三転の後に純心さを楯にしたオチにキーっとなるが、他の作品含めて結局はホゥ!と声を出してしまう自分がいる。「母の務め」一番真っ当な役柄が〆に繰り出すセリフに唖然。ミステリの巧みを感じる一冊。2022/09/03
jima
11
短編7作品。どれもどんでん返しやそうだったのかという引っかけなどがあり、面白かった。2022/10/05
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