出版社内容情報
網走は殺人を計画するが、標的はすでに殺されていた。「この島に殺人鬼がいる」網走はその正体を推理し、殺人計画も遂行していくが。
内容説明
ここは孤島にある児童養護施設。嵐で船が出せず職員が戻れなくなっている。島には子供だけ。この好機に僕、網走一人は彼女を自殺未遂に追い込んだ奴らの殺人計画を実行することにした。まずは剛竜寺だ。―なぜもう殺されている?抉られた片目に金柑のはまった死体。僕より先にこんな風に殺したのは誰だ!この戦慄の連続殺人の真相を見破れるか!
著者等紹介
早坂吝[ハヤサカヤブサカ]
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作で「ミステリが読みたい!2015年版」新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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麦ちゃんの下僕
172
早坂さんといえば、文庫化の際に大幅な加筆修正をすることで有名(!?)ですので、単行本と見比べながら再読しましたが…この作品では加筆は1ヶ所のみ、あとは細かな表現の修正だけでした。元々この作品には自信があったという訳ですね!舞台は孤島の児童養護施設…嵐のため職員も島外から戻れない中、「僕」が殺すつもりだったイジメっ子がすでに殺されていた!?……とにかくこの作品の面白さは「殺人鬼X」の“WHY”に尽きます!読者を“唖然”とさせることこそ早坂さんの“真骨頂”(笑)…早坂ワールド未体験の方は、この作品からぜひ♪︎2022/07/06
かさお
43
気になるタイトルである。舞台は離れ小島。孤児院のような施設で暮らす子供達。苛められ身投げし死の淵をさまよっている少女を想う主人公の僕は、苛めた奴らへの報復殺人を計画するのだが…何故か先回りして奴らが死んでいく…殺人鬼は誰なんだ!?ははは😆なるほどね~👏面白かった✌そうきたか、最近ミステリ読むときの基本心得を実践してなかったから、分からなかったな〜✨思ってたより本格ミステリだったので、油断大敵だった。サクサク読めてオススメです✨2023/02/23
森オサム
42
いやー、良くも悪くもヒドイ話。普通孤島に児童養護施設は無いでしょ?、流石に小中学生だけしか居ない所で連続殺人(つまり犯人も被害者も子供、しかも犯人が二人)は無いでしょ?。この不自然な設定を受け入れて、倫理的な問題に目をつぶって、やっと楽しめる訳です。主人公が次々と殺人を繰り返すんだからねぇ、そしてもう一人自分以外にも殺人を続ける犯人を推理する。滅茶苦茶なんだけど、実際読んでると何か気にならなくなって来て、結局面白く読めた。すっかり騙されてたよ、最初からずっと。いや、騙した訳では無いんか、んー?、フェアか。2023/02/21
おうつき
41
これは良い意味で悪趣味な作品。この著者の作風からして当然どこかに叙述トリックの核となるであろう仕掛けがあるのだと思い色々疑いながら読み進めたが、この真相は完全に想像の範囲外だった。少しでも描き方を間違えたら壁本になってしまいそうなアイディアを最高の形で料理している。途中までは今ひとつ盛り上がりに欠けていたのだが、最後の勢いで作品全体の評価が一転してしまった。2022/09/07
刃の下に心あり
32
★★★★☆孤島にある児童養護施設の入所者である主人公は嵐により子供達だけになった状況下である殺人を実行しようとします。いざ犯行に及ぼうとするものの、既に誰かに殺されており・・・。その後も被害者は増えていき、スピーディーな展開にハラハラドキドキ♪猟奇的な殺人鬼は一体誰なのか?真相は予想外、そして・・・色々としてやられました。こんな感じの大好きです!面白かったです♪2022/07/18