出版社内容情報
十字架に磔となって死んだ姉は「この家には悪魔がいる」というメモを遺していた。第23回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
内容説明
椿太郎は同級生に目もくれず、人妻との不倫に勤しみ、友人は皆無の高校生だ。ある日、姉の御鍬が磔になって死んだので、遺された「この家には悪魔がいる」いうメモの謎を探ることに。父にも母にも、そして自殺した兄にも、秘密が隠されていた。全てを明らかにしたとき、家族の驚くべき真実を目の当たりにする―。第23回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作!
著者等紹介
城戸喜由[キドキヨシ]
1990年北海道生まれ。「暗黒残酷監獄」で第23回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じーつー
13
読みにくさに慣れれば面白い。 物語が始まった序盤から語り手が高校生とはおもえない違和感丸出しな喋り方だし、姉が死んだと言うのに家族一堂の反応が全く共感できないというか、これも違和感しかない。 その他登場人物も普通そうな人もいれば違う世界線で生きているのではないかと思える人も。 さすがにここまで共感出来ないと読みにくい。 でも段々と慣れてくるのか、気が付けば世界に入り込んでしまっていて。 むしろ好きな方かもしれないくらいと。 クセが強いから好みは別れるでしょう。 無理な人には無理だ。 絶対。2022/09/18
三幕 書架(サンマク ショカ)@小説好きVtuber準備中
9
#読了 早くも今年ナンバーワン小説かもしれないブラックユーモア満載の怪作?奇書?です。 こういう小説に出会えるから読書って面白いと思う。ありがとう日ミス。でも意外と読書家ってジャケ買い派多いからタイトルと装丁は変えたほうがいいぞー。 読みにくさや女性の書き分け、空回ってるユーモアとか気になる部分もあるけど、この内容とラストならむしろこれも含めての作品だと思います。再読もします。たぶん。2024/02/12
ギルヲ
6
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。選考評価が真っ二つだったそうで、そりゃそうだろうと頷けるクセの強い一編。主人公は人妻としか付き合わない高校生で、姉が磔にされて殺された事件をどこかウキウキと調査しはじめる話ですが、とにかくふざけたことしか言わない。映画『君の膵臓を食べたい』を観て、「膵臓が食べたくなりました」という感想を述べる主人公を気に入るかどうかですね。私は好きです。ミステリとしても悪くないと思うし、タイトルなんとかすればもっと読者が増えるのでは。面白かったですよ。2023/01/24
こばゆみ
6
わたし「は」、めちゃくちゃ楽しめた!面白かった!…読んだら「は」って鉤括弧つけたくなる気持ち、分かると思います(笑)。いやー登場人物も言い回しも、とにかく独特としか言いようのない世界観。一応ミステリーだけれど、トリックより雰囲気を楽しむ感じ。これはあらすじ紹介できない。最初数ページ読んでダメだと思ったらダメだし、面白いと思ったら面白いまま終わります。やたら固有名詞出てくるのが個人的にツボ。2022/04/12
きゅうくつ
3
これは賛否分かれる作品だろうと思う。思いながら、自分自身は賛とも否とも言い切れず、賛や否や、その他いろいろなところとの境界をさまよいまくった。賛否両論が自分の中でごちゃごちゃする。手放しで「良かった!」と言える作品ではないものの、読めてよかったのは間違いないと思う。2022/04/19