出版社内容情報
四郎兵衛暗殺さる。江戸からの書状を読み、神守幹次郎は東海道へ消えた。京都編の完結にして新たな展開の序章!
内容説明
吉原を過去最大の危機が襲う。会所頭取、四郎兵衛の無残な姿。すべてを乗っ取らんと着々と勢力を固める一味。その周倒な計略に、残された面々は苦境に耐えるばかり。一方、修業中の京から姿を消した神守幹次郎。最後の頼みの綱ともいえる彼は一体どこにいるのか?そして、吉原は生き残れるのか…!?いま「吉原裏同心」は新たなる時代へと踏み出す!
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
97
今まで、このシリーズは3段階目でしたが新たにリニューアルということで通番になるようです。ここでは主人公の恩人ともいうべき吉原の会所頭取が殺されて幕府の人物が裏から手をまわしているとを探り当てていきます。主人公は表には出ないであくまで京都にいると思わせて悪を撲滅させて吉原の再興を果たしていきます。いつもながらですがすっきりとします。2021/10/23
やま
82
読んでいて面白く爽快で…。官許の遊里吉原の運営に携わる四郎兵衛会所で裏同心として活躍する示現流と眼志流居合の遣い手・神守幹次郎の活躍の物語です。此度は、京(京都)で1年間の修行中の幹次郎のもとに、吉原会所七代目頭取の四郎兵衛が殺された急報がもたらされて。幹次郎は、急遽江戸に帰って誰にも会わずに四郎兵衛の仇を討ち、吉原を乗っ取ろうとした将軍家斉の御側御用取次・朝比奈義稙をはじめとする者達を殺して吉原の危難を取り除き京へ帰って来た。シリーズ36作目。字の大きさは…中。2021.12.01~04読了。★★★☆☆2021/12/04
とし
79
吉原裏同心「陰の人」36巻。吉原会所頭取四郎兵衛の非業の死で吉原が危機に、京で修行しているはずの神守幹次郎が、密かに江戸に戻り一気に吉原を乗っ取ろうする悪人どもを斬る痛快で安定感バッグでした。1年の謹慎を終え吉原に戻る幹次郎さん八代目吉原会所頭取になるのか? 2022/03/17
本詠み人
46
装丁と題名から最新刊か戸惑いましたが、あとがきにその旨が書かれていて納得。最悪の終わり方から一新し、吉原乗っ取りの悪を斬る幹どの⚡️あっぱれ!あれ?でも、江戸に戻れば裏同心じゃなくなっちゃう?としたらシリーズ終わりなんでしょうか😱2021/11/19
蒼
35
はぁ〜、やっぱりそうなるかぁ〜。幹殿に「われら三人は世間の男とおなごの関わりと違う」と言わせるなんて、現代の道徳観で当時を見る事はできないと分かっていても、ここまで汀女先生との夫婦の姿を見せておいて、佐伯泰英さん狡いよって恨み言を言いたくなってしまう。ならば麻には「姉上を裏切った悪いおなご」などと言わせてほしくなかった。多分自分は幹殿と汀女先生に理想を求めてこのシリーズを読んでいるのだろうけど、汀女先生の心の底を今一度読ませて欲しいと切に思いページを閉じた。2021/10/30