内容説明
かつての賑わいがすっかり失われた寿老神温泉。この町で育ち、信用金庫に勤める赤城勇太は地元活性化のため、高校生による蕎麦打ちイベントを企画する。同じ頃、竹澤春海たち地元の高校生も全国高校生蕎麦打ち選手権大会に出場するため、特訓に励んでいた。そんな中、メガバンクに勤務する勇太の兄が巨大資本によるリゾート化計画を引っ提げて乗り込んでくる。
著者等紹介
江上剛[エガミゴウ]
1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。第一勧業銀行(現・みずほ銀行)に入行し、人事部や広報部、各支店長を歴任。’97年の第一勧銀総会屋事件では解決に尽力。事件を材にした映画「金融腐蝕列島 呪縛」のモデルになった。銀行業務の傍ら、2002年に『非情銀行』で作家デビュー。’03年に銀行を辞め、執筆に専念。テレビ・コメンテーターとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみねこ
93
すっかり寂れた群馬の山あいの温泉地。地元の信用金庫に勤める赤城勇太は地元活性化のため祭りを企画し高校生の蕎麦打ちイベントを目玉にと考える。勇太の兄でメガバンクに勤める勇之介は老舗ホテルを格にしたリゾート計画を。巨大資本とクラウドファンディング、過去の家同士の確執も絡み物語は進み、ハッピーエンディング。勇太の熱い思い、春海の真っ直ぐさ、銀行と信金の違いもわかり面白かったです。2021/04/21
PEN-F
32
衰退の一途を辿る寂れた温泉街を立て直すべく、地元の信用金庫と大手銀行が再建案を巡り対立する。信金は蕎麦をうりに町おこしをしようとするのに対して、メガバンクの案はパチンコ。ホントはカジノを誘致したかったらしいがが...パチンコ??? パチンコで?温泉街を?立て直す?のか?まじで?2023/07/23
はる
29
[kindle unlimited] バブルが去った後の廃れてしまった温泉街をお祭りや蕎麦打ちなどを企画して信金と女子高校生が奮闘するお話。なんだか話がいろんなところに散ってて集中しづらかったです… 中高生向きかも。2025/05/10
to boy
20
寂れた温泉街復興に奮闘する高校生や信用金庫の職員。つまらなくもないが面白くもない、平凡なホームドラマを見ているような展開。メガバンクと信金との確執など銀行員出身の著者らしさが出ているところはよかった。2024/11/13
BluePlanet
9
★3.8(2.67)2018年5月発行。元第一勧業銀行支店長江上剛氏の作品。著者の小説は初めて読了。前はマラソンの話しだったかなぁ。著者は経済小説を数多く手掛けるが、この本も地方創成に関して、信用金庫とメガバンクが対立するところは、経済小説と言えるのかな。群馬県を舞台としているので、てっきり著者は群馬出身かと思ったら、兵庫出身でした。蕎麦については、かなり取材等行ったんだろうなぁという感じですね。娯楽作品としては、まぁ楽しく読めました。2021/04/30