内容説明
関ヶ原の戦いから九年―将軍職を秀忠に譲り、駿府に隠居した家康だが、徳川の天下を磐石にしていくために思いをめぐらせる。諸外国との交易、キリシタン勢力、大坂の豊臣家、戦乱の世を知らない子や孫…不安を数えれば切りがない。齢七十に迫ってなお精力的に政治に関わり、いくさ場にも出征。「守成」に力を注ぐ家康の晩年を描き出した傑作!
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業後、会社勤務を経て、’96年『一所懸命』でデビュー。同作で第64回小説現代新人賞受賞。’98年『簒奪者』(『兵は詭道なり 斎藤道三』と改題)で第5回歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で第10回松本清張賞、’04年『村を助くは誰ぞ』で第28回歴史文学賞、’08年『清佑、ただいま在庄』で第14回中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Book Lover Mr.Garakuta
14
家康晩年の物語。面白いけど。家康が保守的過ぎないかと感じたりした。まぁ、その分色々と楽しめた。其れに存在感も大きいなと居るだけで、威圧感の有る人だと思う。2020/09/12
左丘明
1
将軍職を秀忠に譲って駿府に隠居し豊臣家を滅ぼして大往生するまで、徳川家康の最晩年の7年間を描いた異色作。徳川の天下も盤石に見えてはいても、岡本大八事件や大久保長安の陰謀、キリシタン勢力の伸張、豊臣家の処遇など、心配の種は尽きない。健康に自信はあるものの、70歳を超えて人生の終焉も遠くはない。しかし、成人の息子は秀忠と忠輝のみで、今ひとつ頼りない。それに引き換え、豊臣秀頼は侮れない……。江戸開府から大坂落城までの政治的な動きの裏側は面白く、また、戦国の最終勝者となった男の老いてなお盛んな姿を描いて読ませる。2020/08/18
黒とかげ
0
うーん。歴史書ではないんだから何もかも書こうとしすぎだった。浅く広く書かれても、どうも登場人物に感情移入できない。せめてテーマの守成についてもっと突っ込んだ考察が欲しかったな。2020/12/09