内容説明
姪の汐子と下町で暮らす凸貝二美男は、泥酔した公園で奇妙な光景を目撃する。白髪の老人、叫び声、水音、歩き去る男。後日訪ねてきた謎の少年は、二美男が見たのは「自分の伯父が祖父を殺した」現場だと言う。遺体の捜索を依頼された二美男は、汐子や貧乏アパートの仲間と共にとんでもない事態に巻き込まれていく―。人生に悩み迷う時、背中を押してくれる傑作長編。
著者等紹介
道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年、東京都出身。2004年、『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。’07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞受賞。’09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞受賞。’10年『龍神の雨』で大藪春彦賞受賞、『光媒の花』で山本周五郎賞受賞。’11年『月と蟹』で直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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イアン
146
★★★★★☆☆☆☆☆個性的なメンバーが活躍する道尾秀介の長編。過去に自らの不注意で娘を亡くした二美男は、泥酔した状態で殺人らしき瞬間を目撃する。煩悶する二美男の元に「伯父に殺され池に沈んだ祖父の遺体を発見してほしい」と告げる少年が現れ――。多額の報酬に目が眩み、ある作戦を決行する二美男とアパート住人たち。そのドタバタ劇は『カラスの親指』や『笑うハーレキン』を思わせる。やや冗長に感じる部分もあるが、コミカルな中にも後悔や罪の意識に苛まれる人物が多く登場する。切なさの残るラストが印象的な白道尾の痛快エンタメ。2026/01/29
H!deking
94
待ちに待った文庫化!いやーこれこれ、って言いたくなる位道尾さんらしいドタバタストーリーでした。ミステリーも程よく、最後はホロっと泣かせる。さすがです。面白かった!2020/08/17
ちょこまーぶる
58
イマイチ楽しめなかった一冊でした。姪っ子と暮らす男が目撃した出来事をきっかけに、ドタバタとした事態に巻き込まれていくといった感じなんですが、この手の本を読んだときに味わうドキドキ感があまり無かったんですよね。どうしてかなぁ~。読んでいて感じたことは、上手い表現はできないけど何か場面によってはダラダラと読んだ感じを受けたり、登場したキャラクターに共感できる事も少なかったからかなぁ~と思ってしまいました。それと、長編は集中して読まないと、こんな感想になっちゃうのかなとも思っちゃいました。2025/12/15
dr2006
57
「カラスの親指」や「カエルの小指」にみるレンジの広いエンタメ作品⤴凸貝二美男は幼い娘を事故で失った。自棄になった二美男の生活は乱れ、借金&離婚へと落ちていき、夜逃げ同然で東京下町の格安アパートに移り住んだ。昨年兄が死に、兄の後妻から姪の汐子を引き取り二人で暮らす。汐子は関西育ち、二美男に華麗なツッコミを入れる。二美男は少しづつ生活に落ち着きを取り戻していた。そんなある日、泥酔した二美男は公園の池に沈む人の影を目撃する。汐子に亡くなった実の娘を重ねる二美男、汐子が察して二美男を慕う純粋な優しさが心に沁みた。2026/01/07
ピース
51
一番最後の汐子の言葉が印象的だった。「幸せになってええねんで」は正にその通りだ。ニ美男も剛ノ宮も自分の不注意から悲劇を起こしてしまった。決して忘れることはできないことだが汐子の言う通り二人共幸せにはなってもらいたい。2021/03/20




