内容説明
姪の汐子と下町で暮らす凸貝二美男は、泥酔した公園で奇妙な光景を目撃する。白髪の老人、叫び声、水音、歩き去る男。後日訪ねてきた謎の少年は、二美男が見たのは「自分の伯父が祖父を殺した」現場だと言う。遺体の捜索を依頼された二美男は、汐子や貧乏アパートの仲間と共にとんでもない事態に巻き込まれていく―。人生に悩み迷う時、背中を押してくれる傑作長編。
著者等紹介
道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年、東京都出身。2004年、『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。’07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞受賞。’09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞受賞。’10年『龍神の雨』で大藪春彦賞受賞、『光媒の花』で山本周五郎賞受賞。’11年『月と蟹』で直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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H!deking
94
待ちに待った文庫化!いやーこれこれ、って言いたくなる位道尾さんらしいドタバタストーリーでした。ミステリーも程よく、最後はホロっと泣かせる。さすがです。面白かった!2020/08/17
ピース
49
一番最後の汐子の言葉が印象的だった。「幸せになってええねんで」は正にその通りだ。ニ美男も剛ノ宮も自分の不注意から悲劇を起こしてしまった。決して忘れることはできないことだが汐子の言う通り二人共幸せにはなってもらいたい。2021/03/20
ぽろん
38
読み始めて、既視感。再読でした。でも、面白い小説は、何度読んでも、取り込まれて、一気に読了。迷える大人たちにしっかり者の子供たち。「幸せになってもええねんで」なんて子供に言われたら、泣いてしまうやろ。2020/09/19
るい
37
めでたそうな表紙と気にかかる帯に惹かれて。登場人物皆の魅力的なところから話の荒唐無稽さにぐんぐん引き込まれほぼ一気読み。めちゃくちゃ面白かった!!2020/10/08
らび
34
人にはそれぞれ自分にしか分からない傷がある。それとどう向き合うのか、どう癒すのか、1人ではどうにもならない沼にはまり込んだ時誰かの力を借りていい。頼って泥のように沈んだとしても.。悔やんでも後悔しても過ぎ去った時は変わりません。どう昇華させるかなんだろうか?とんだドタバタ劇かと思えば人情劇でした。なにかを期待すると外れたように思うかもしれません。2020/10/13