内容説明
複数の勢力に狙われる王都エクバターナ。ナルサスの死の悲しみも癒えない中、アルスラーンと将軍たちは、次々と難敵を退けていった。そんな折、生きていた先王アンドラゴラスの号令の下、アルスラーンへの叛乱軍が結集する!宿敵ヒルメスとの決着、そしてついに迫る蛇王ザッハークとの最終決戦のゆくえは?さまざまな想いが熱く胸に迫る、堂々の完結編!
著者等紹介
田中芳樹[タナカヨシキ]
1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。’78年、「緑の草原に…」で幻影城新人賞を受賞。’88年『銀河英雄伝説』で星雲賞(長編部門)受賞。2006年『ラインの虜囚』でうつのみやこども賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hnzwd
22
終わった。きっちり最後までやってくれたな、という印象です。最終巻はマヒしてきちゃって、もうどうにでもしてくれ、みたいな気持ちで病んでました。ラストシーンは、、いいね。2022/05/29
dorimusi
20
遂に最終巻。一気に読んでしまいました。うーん。生き残ったひとは当たってた。偶然だけど。ただもう2,3人残ると予想してた。各人の死に方にあっけなさもあると言えばあるけど、やっぱり最後のザッハーグとの決戦があっさり過ぎな気はする。ザッハーグとか尊師の設定は良いんだけどちょっとあっさり…。掘り下げようがない状態で明らかになってから仕方ないけど。エラムの最後とか終わり方も嫌いじゃないけど、もう少し大円団的な明るい終わりを予想してた。 でも作者の職業とか、完結までの期間考えると歴史を感じるこの終わりになるのかなと。2021/11/06
meow3
19
最後はひたすら死闘、死屍累々。しかも諸行無常を感じる結末でした。タハミーネの娘のエピソード必要だったのかな??ウン10年かけてやっと読了。若いうちに一気に読みたかったなあ。2021/03/03
河内 タッキー
16
さて、何を書けばいいのか迷う。それほど密度の高い最終巻だった。これは生き残った者たちすべての最終決戦なのだ。しっかり一対一の対決を見せてくれる。その勝敗がどうなったかは書けないが、それぞれが感動する。この展開が納得できないという評価を多く聞くが、私には受け入れることができた。最後の場面も好きだ。読み始めたのが30年前なのだが、完結を機に一気に読み直したことが良かったのかもしれない。作者の表現方法は第一巻から一貫していて淀みないように感じる。読み終わって作者に感謝したい気持ちだった。そして登場人物達にも。2020/10/10
Akki
14
どんな人間にも死は等しく訪れるし、その瞬間は決してドラマチックなものではないし、あっけない。田中作品が重厚感を持っているのは、生死をファンタジーにしていないからなのかも知れない。どれほどの豪傑も、気味の悪い存在も、それが人間であれば、深傷を負えばちゃんと死ぬ。油断をすれば隙を突かれて負ける。だからこそ、生き様が際立って見える。もっとじっくりと終わりに向かって欲しかったのが本音だけど、最初の刊行年から考えたら、完結したこと自体、すごいことなんだろうなぁ。2023/12/03