内容説明
晩秋のアラスカ荒野に、独り獲物を追う男がいた。杉田淳、三十四歳。元傭兵の彼の標的は、人間ではなく野生動物たちだ。大ヘラ鹿、グリズリー、バイソン…鍛え上げた肉体を駆使し、凄まじいまでの執念で次々とトロフィー級の大物を倒し食らう杉田。行く手を阻む密猟者グループを殲滅し、彼のハンティングは続く―。大藪文学の極北をなす傑作がついに復刊!
著者等紹介
大藪春彦[オオヤブハルヒコ]
1935年京城生まれ。早稲田大学教育学部中退。’58年、大学在学中に『野獣死すべし』でデビュー。独特の乾いた文体、過激なアクション、銃や車の精密描写などで一躍人気作家に。日本のハードボイルド史に残る数多くの作品を書き上げている。’96年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くま
2
クマの脂で揚げた鮭フライとかカリブーのシチューとかバッファローのタン塩とかとても美味しそうだと思った。面白かった。2021/10/24
たくぞう
1
つくづく大藪春彦は異形の作家だったなと思う。この後アスファルトの虎を書き始めてみるみる衰えてゆく。2021/11/26
Tadashi Hattori
1
ここへきて大藪春彦の文庫本新刊が出ていて気になったので読んでみた。文庫本としては新刊だが初版は82年のもの。彼の作品はストーリーの展開もさることながら、車と銃の描写が細かくその知識を得ることが面白さにつながっていたと思う。このヘッド・ハンターは狩猟についての描写がすごい。但し、相当なマニアでない限り知らない言葉があまりに多くうんざりするのではと思う。悪党との戦いも2件ほど出ては来るが今までの大藪作品とは違いそれはおまけ程度で、そういった意味では期待外れであった。大藪作品の中では異色ではないだろうか。2020/09/08
さんま
1
トロフィーを獲得するために猟をすることは海外独特の狩猟方法で日本ではあまり聞かないため、新鮮だった。杉田のトロフィーへの執着心がすごい。自然の描写やキャンプの様子が道具の名前なども含めてかなり細かく描写されておりよかった。2020/08/23