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内容説明
日本‐莫斯科‐羅馬‐伯林‐倫敦‐巴里。かつて日本と欧州は鉄道で結ばれていた。戦前の時刻表には、現在とは違った鉄道の姿が残されている。当時の貴重な時刻表をめくりながら、今では「幻」と化した路線の面影をたどり読者に代わって著者が、ときには乗客役に、ときには車掌役になって、幻の時刻表の世界に誘う。
目次
第1章 幻の「東京発パリ行き」時刻表(昭和一二年一月;「富士」と「櫻」 ほか)
第2章 本線‐支線「逆転」物語(本線と支線の区別がなかった;路線名は明治四二年に決まった ほか)
第3章 消えた盲腸線をたどる(戦争と鉄道;有馬を一大温泉地へと発展させた路線 ほか)
第4章 「国鉄」になった私鉄たち(幹線の多くは私鉄からスタート;戦中に強制的に国有化 ほか)
第5章 日本の旧領土などを走っていた路線(沖縄にも電車があった;戦後も復活しなかった ほか)
著者等紹介
曽田英夫[ソダヒデオ]
1948年、京都市生まれ。関西学院大学経済学部卒業。鉄道運転運輸史研究家。鉄道史学会会員、交通権学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
28
かつて新書で読んだ本の文庫化。全然覚えてなくて、新鮮な気持ちで読めた。最初の1/3が、戦前の鉄道によるヨーロッパ旅行のシミュレーション。作家・林芙美子による『三等旅行記』を援用したシベリア鉄道の様子など。満鉄「あじあ」号の記述も、概略を紹介している。そのあとは国内の廃線紀行にうつり、最後に樺太・台湾などの戦前の鉄道事情を紹介する。沖縄については電車の記述のみであり、県営鉄道が戦火の中に破壊されて消えたことについても、何か書いてほしかったと思う。最初と最後の内容だけでも、1冊の本になるほどのテーマなのでは?2015/08/12
雲をみるひと
8
かつて新書で発売されていた過去に存在した或いは過去に現在と違った役割だった鉄道路線に関する短文集。文章の面白さを追求するより、情報を紹介することに重きを置いた構成でわかりやすい。戦前の日欧間の鉄道移動に関する章は同内容の本よりわかりやすいように内容はよい。一方、文庫化にあたって一工夫あってもよかったか。2019/07/31
fukuokakomachi
4
日本語を読めないテツオさんからのいただきものの本。じゃなかったら読まなかったかも。中身はテっちゃん向け。 ただしテツオ、テツコでなくとも、戦前の時刻表を使って東京からはるか彼方のヨーロッパまでの旅をする第1章は文句なしに面白い。 トワイライトエクスプレスの廃止のニュースの後だけに余計に昔の鉄道旅行にロマンを感じてしまう。 利便性と引き換えに失ってしまった古き良き時代の旅情を感じられる作品でもある。2014/06/11
みほこ
3
戦前に廃線になった鉄道路線を中心に紹介している。林芙美子のシベリア鉄道を利用したパリまでの鉄道旅は想像を絶する。夢ではあるが、陸続きのヨーロッパだけでも鉄道で旅をしてみたいです。2014/06/23
かずんち
2
雑学本に分類されるのかな? 単純にデータを集めただけでなく、周辺情報も含めて薀蓄が多く読んでて飽きない。2015/05/05
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- 工学倫理の条件