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出版社内容情報
”敗軍と禁教徒”という弱者の悲劇を背負った土地を歩き、失われた風景の中に日本人の心理を見出す歴史紀行。取材時の写真を収録した新編集版。
解説・安部龍太郎
内容説明
知られることなく見捨てられ、廃墟と化した戦国時代の山城を訪ねる「埋もれた古城」。迫害と鎖国により、数奇な運命をたどったキリシタンたちの足跡を追う「切支丹の里」。“敗軍と禁教徒”という弱者の悲劇を背負った土地を歩き、失われた風景の中に日本人の心理を見出す歴史紀行。取材時の写真を収録した新編集版。
目次
埋もれた古城(山城愛好者の弁;関東小豪族の悲劇を象徴する箕輪城;家康の苦悩がこもる二俣城、高天神城;切支丹の哀史を秘める日之枝城;身近な城あと世田谷城 ほか)
切支丹の里(切支丹と遺跡―長崎とその周辺;一枚の踏絵から;キリシタン時代―日本と西洋の激突;切支丹時代の智識人;日記―フェレイラの影を求めて ほか)
著者等紹介
遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923(大正12)年3月27日、東京生まれ。満州大連、神戸と渡り、11歳のときにカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学文学部仏文科卒。日本人がキリスト教の神と愛をいかにうけとめ、いかに生きるかを、文学のテーマとする。『海と毒薬』『沈黙』などの小説を発表する一方、数々のエッセイを手がけ、いまも多くの読者を魅了し続けてやまない。1996年9月29日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆み も☆
1
キリシタンの里を読み終える。 隠れキリシタンについて、少年時代からの遠藤周作と母親について。この二つが交互に展開されていくページがあり、そこににとても興味を覚えた。いくつもの島が点在するその地でずっと何かを探し求めているような、または彷徨っているような姿にもみえる。彼の心奥深くに根を張った思い。 それは自分と母。そしてその母が救いを求めた神の存在について。それが遠藤周作の作家としての源になっているのではないか。 平戸には、いくつもの教会・悲しい過去を秘めた美しい海水浴場もあります。歴史とロマンの島です。2018/02/05
たまうさ
0
前半は戦国時代の山城のことが書かれていて、かなりマニアック。後半はキリシタン紀行。後半部分がかねて所持する『切支丹の里』と違う内容だったらいいなあと思ってAmazonで購入したのだけど、もろに同じでした。2014/03/01
小梅
0
親近感ではない。重なってる、同じ地点から見つめている気がする。おこがましいというより、そうとしか感じとれない。ただ、繰り返される想いは、偶像化しそうでこわい。懸念しながら、遠藤を見つめていきたい。◎転び者→ファビアン不干斎、トマス荒木、フェレイラ(沢野忠庵)、ジョゼフ・キャラ(岡本三右衛門)2011/04/01
tecchan
0
この作品が書かれたのは今から50年以上前。全国の忘れ去られたような山城を訪ね歩く紀行文と長崎の隠れキリシタンの里の紀行文からなる。単なる旅物語ではなく、歴史に対する深い考察は読み応えがある。特に、切支丹の里は、作者の名作「沈黙」の取材記ともなっている。2021/06/28
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