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内容説明
「今日のピアノの音はきれいね」「今日は楽しく聞こえるわ」。母親が子どものピアノを褒める言葉はそれでいい。子どもが音楽を自然に好きになるよう仕向けることが肝心だからなのだ。音楽教育の本質は「強制」ではない。「ワクをはずして、もっと楽しもう!」。世界的指揮者の体験を踏まえた、音楽実践哲学。
目次
第1章 音楽を育むために(音楽には点数がつけられない;個人教師は天才型より努力型の先生を選べ ほか)
第2章 楽譜は個性的に読むものだ(美しいメロディは楽譜の中にはない;楽しいリズムが音楽の基本だ ほか)
第3章 暴れんぼうこそ音楽家向きだ(もっとセンチメンタルになってもかまわない;カッコよい演技がよい音を奏でる ほか)
第4章 音楽を自分のものにする(音楽の楽しさは自分で発見する;嬉しさこそ音楽を上達させるものだ ほか)
著者等紹介
岩城宏之[イワキヒロユキ]
1932年、東京生まれ。東京芸術大学打楽器科中退。NHK交響楽団正指揮者、メルボルン交響楽団桂冠指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督、石川県立音楽堂芸術総監督、札幌交響楽団終身桂冠指揮者、東京混声合唱団音楽監督、京都市交響楽団首席客演指揮者を兼任。日本芸術院会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てくてく
6
病弱だったがために音楽の喜びを自分で見出した岩城氏による音楽論。音楽とは形式ばって拝聴するものではなく原点はリズム、動なのだ、したがって、音楽を聴いて踊り出す子の方が音楽的センスがあるのだ、職人的に音楽を仕込むと限界が来てしまうこと、といった音楽教育に関することはもとより、氏とカラヤンの交流(「ドライブ(運転)しないで、キャリー(はこぶ)するのだ。」)や音楽家の生き方などに関する話がとても面白かった。2016/09/10
詩音
4
真面目な本だと思って読んだら意外と面白くてびっくり!岩城さんの子供時代のエピソードにも思わず笑った(笑)2015/01/20
アルト
1
すべての意見に同意ができるわけではないが、音楽家としてそして人生においても役立つ言葉が多々あった。色んな巨匠の話とかは面白かった。音楽は音を楽しむ、やはりそれが大切だなと改めて感じた。2021/02/27
いなろく
1
目からウロコ。感銘。開眼。1977年に刊行されたものの文庫化だが文章は古く感じない。出会えて良かったと思える本。「音楽理論」ではなく、「音楽教育論」。タイトルから推察するように、子どもを立派な音楽へ育てるにはどうしたらいいかという実用書のようではあるけども、世界的指揮者の成功談を交えた自伝的人生読本。子どもが音楽をやりたがっていたらさせてあげたい。音楽を遊んでいたら五月蝿いと一喝せず楽しませてあげたい。クラシックのみならず、ジャズでも歌謡曲でも同じこと。音楽を遊ぶ。楽しむ。僕のバイブルの1冊になります。2011/07/06
むちれお
0
音楽の話題に徹した、真面目だが面白いコラム集でした。2014/09/23