知恵の森文庫
赤瀬川原平の名画読本 - 鑑賞のポイントはどこか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 211p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334783495
  • NDC分類 720.79
  • Cコード C0171

出版社内容情報

絵も人間と同じ。肩書きで判断してはいけない!

世間の評価、意義や思想性で絵を見てはいけない。早足で見る。自分が買うつもりで見る。自分でもちょっとだけ描いてみる。画家である著者が教える名画鑑賞術。「印象派の絵は日本の俳句だ」「ゴッホが陰に『色』をつけた」「ゴーギャンが教える塗り絵の楽しみ」とは、など巨匠15人の代表作の真髄に迫る。解説:安西水丸

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

はまだ

44
この著者はヒエロニムス・ボスをほめている。わたしは実はよくわからない。まず、名前が覚えづらい。絵もわかりにくい。ルノアール(の一部の絵)があまり好きではないようである。名前は覚えやすい。喫茶店があるからだ。やや高いが、落ち着きたいときは是非!で、絵や絵を見ることは、言語化などできないことは承知の上で、でもできる限りていねいに、絵を見る方法のヒントを提示してくれる感じ。文章もいい。「ゴッホの一存で塗り込められている」、ユトリロについて、彼ではなく、「彼の絵が(パリの街の)侘び寂びを見つけたのだ」とか。⭐︎52017/09/04

ホークス

37
元本は1992年刊。何度読んでも面白い。赤瀬川氏が鑑賞を語る。「この色が美味しい」「絵具の伸びが美味しい」などと言う。実際に感じる美味しさが大切であり、理論は二の次。フェルメールの絵は気持ちいい、それでOK。視界にある「精密とボケ」を表現できている、などの謎解きは後回し。読者は「確かに!」「そうかな?」と大らかに楽しめば良い。「説明と表現との幅のところが絵の面白さ」「遮るもののない現代美術の自由より、印象派の画家の自由の方が輝いて見える」等の言葉が心に残った。私に鑑賞の楽しみを与えてくれた名著。2023/11/13

瀧ながれ

25
絵画展行っても、あんまり考えずに好きな絵ばかり見てしまうので、こういう風に好きなところや苦手な理由を言葉で説明できるのが、すごいし理想的だし説得されてしまう。ルノワールの絵が好きで同時に苦手な理由が、ここで納得できました。一枚ごとじゃなく、画家の年代順に見ていく必要もあるんだな。そんで、教科書に載るような「名画」でも、自分の目と感性で違和感を覚えたら、そう言っていいんだなと思いました。絵画を言葉で説明されて理解する、言葉によって自由になる、という体験ができる本でした。2020/07/01

mayumi225

24
著者の好きな言葉を借りれば,この本は気持ちいい!この人が,自由に見て自由に書いている。それでいて,結構気付かされるんですね。【以下引用】モネ「かつてあった空気のたしかさみたいなものが,意味もなく悩ましい。」マネ「この四つ足で踏ん張って立っている可愛い黒猫から,黒い色が発生している。」ゴッホ「現実を前にしてこそ,それを写し描く中での自由が輝いてくる。」ダ・ヴィンチ「レオナルドの絵は金属的なところが好きだ。」コロー「食べると美味しそうだ。」ルノワール「南洋の熱帯魚の刺身でも食べているみたいだ。」・・・楽しい。2017/09/25

ホークス

21
再読。ふとパラパラめくっていたら、思わず通読してしまった。絵は教養で見るのではなく、好き嫌いで見るものだと言い切る潔さがとにかく凄い。胸を突かれる表現、眼からウロコの見方が次々に出て来て、ワクワクしてしまう。10年程前、美術を理解できないことで、人生ひどく損をしている気分になっていた。その頃読んだ関係書の中では、本書の明快さが飛び抜けていて、正直大いに救われたのだった。再読して、ブリューゲルの「雪景色の狩人」が正に琳派で、そのまま屏風になりそうなことを再確認。天国の赤瀬川氏に改めて感謝。2015/04/19

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