知恵の森文庫
文学的人生論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 257p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334783211
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

戦争で人を殺したと告白する二十八歳会社員の道徳観とは(「一青年の道徳的判断」)、敗北する価値がある女性とは(「好きな女性」)、『刺青』の美学とは(「谷崎潤一郎」)、戯曲を書く楽しさとは(「芝居と私」)、ギリシャを恋い慕う理由とは(「アテネ」)。人生・文学・演劇・旅…、激動の生涯を駆け抜けた三島由紀夫、二十代の肖像。

目次

一青年の道徳的判断
重症者の兇器
新古典派
批評家に小説がわかるか
死の分量
卑俗な文体について
モラルの感覚
好きな女性
新ファッシズム論
川端康成〔ほか〕

著者等紹介

三島由紀夫[ミシマユキオ]
1925年、東京生まれ。本名平岡公威。’44年処女短編集『花かざりの森』出版。’47年東京大学法学部卒業後、大蔵省に勤務。翌年退職。’70年11月25日自衛隊市ヶ谷駐屯地にて決起を促す演説後、自決
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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だんぼ

295
人間の生き方も 正しく生きるということがもはや何物も意味せず 生きる途上の無数の反則のみ 生きる意味が宿っているようにみえる場合がある・・ 三島由紀夫1949.12024/07/22

優希

96
三島の20代の思想を伺えるようでした。文学から考える様々な事柄に唸らされます。題材にしているのは日本のものもあり、海外のものもありました。ラディケやワイルドなどの馴染み深い海外作家から、同時代に活躍した日本人作家を取り上げており、そこからの考察が興味深いです。三島は若くても三島だという印象を受けました。若い分、強気な発言とも取れますが。2016/09/17

23
二十代の三島由紀夫による小説(文学)に纏わるエッセイ。日本のものも外国のものもある。ワイルドの小説及び実人生をも考察したものがあり興味深かった。外国文学についてはラディゲ、ワイルドなど三島ラーにとってはお馴染みの顔ぶれだが、日本文学に関しては同時代の具体的な作品について言及したものが多く収録されており(福永武彦の『草の花』など)戦後の日本文学に親しんでいる人は豊かに楽しめるだろう。若くても三島は三島、当然質は一流だが、端々に若さが溢れているので、普段の三島でも鼻につく人は読むのに相当な覚悟が必要。2015/04/22

Royalblue

6
同時代を生きた川端、谷崎、愛読したサド、ラディゲなど洋の東西を問わず三島視点から批評を呈した作品集。炯眼な視線に射止められた彼らとその諸作は、透徹した明晰さと、時折めんどうで硬筆な文体に鏤められたこの一冊に掌握された。文学入門としてではなく、一読諸作に触れてから読んだほうが、三島がどの視点から物申しているかがわかるのだろう。2016/01/27

テツ

2
作品によって好みが別れてしまうので三島由紀夫本人が大好きだというわけではなかったけれど、これを読んで20代の彼の中身を少し覗けた気になれた気がして親近感が。勿論この当時から彼特有のナルシストな傾向は垣間見えるけれども、若さのせいかそれすら美しく思えてしまう。文章の構成や流れは若かりし頃からやはり素晴らしいなあと。賛否も好みもあるだろうけれど彼は疑いようのない天才であると思う。願わくば老いてからの作品を読んでみたかったな。自己愛が枯れた後に書いた物を読みたかった。2013/03/15

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