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内容説明
犬はシコシコ、蛇は上品、ネズミは甘くて、虫は滋味。お茶を食べては、珍酒で元気。料理人も踊り出す。食の冒険家小泉教授が中国の奇妙奇天烈な美味珍味と、愉快な人々との出会いをもとめて、西へ東へ旅をする。150枚以上の写真と軽妙な語り口で綴る、抱腹絶倒、驚天動地の痛快ビジュアル・エッセイ。
目次
赤い色が似合う国
犬を食す
涙に咽ぶ魚です
君知るや究極の蛇の味
鶏がとっても旨いから
草の子たちに成仏あれ
虫は胃なもの味なもの
永遠の熟鮓
茶の国は知恵深し
醸して変身〔ほか〕
著者等紹介
小泉武夫[コイズミタケオ]
1943年、福島県の酒造家に生まれる。農学博士。東京農業大学教授。専攻は醸造学・発酵学。ニッポン東京スローフード協会会長をつとめるなど、食文化の提唱者として多方面で活躍。開高健氏を文筆の師と仰ぎ、多彩なエッセイ・小説などを著す。また、「大・快・速」の三拍子が揃った健啖家でもある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
36
小泉先生曰く、吾輩は「冒険する舌」である。この本はそんな先生の中国冒険記だ。ページをめくるとつぎつぎと紹介される食材や料理の数々。日本に住んでいるとそんなものやこんなものを食べるのかととても違和感を感じるが、食は文化ということを改めて認識した。解説は中島らもさん。英国王室から中国に送られたシェパードの話は・・・・本当のグルメを自称されたい方は必読の書かもしれない。2015/05/26
おいしゃん
33
農大教授とは思えない、フッ軽かつテンション高いゲテモノエッセイ。要はとても面白い。ただ、一点注意すべきは、惜しげも無くゲテモノ写真の数々が載ってるので、苦手な人は写真ページを飛ばすことをお勧め。2019/08/02
nobu23
11
中国の怪しい?食材や料理を食べ廻るエッセイ。一部気持ち悪いと感じる写真もあったが、概ね文だけよりも想像できない部分が補完できて楽しめた。2020/05/30
isao_key
9
もとは1997年発行。食の冒険家小泉先生の中国での食に関する旅がつづられている。当時の中国はまだ拝金主義や格差が拡大する前の時期で、今同じ取材をするのは無理なので、実に貴重な記録である。様々な食材に挑戦し舌鼓を打っている。カラー写真付で、具材となる動物、昆虫などの迫力が伝わる。焼いた牛の頭や仰向けの状態で焼かれた犬、巨大な野ネズミなど、今なら加工されそうな写真も堂々と載せられている。日本もかつて犬を食していた。中国の食に関する哲学について著者は5つにまとめている。中国料理の奥深さを改めて教えてくれる一冊。2014/08/13
韓信
3
犬、ネズミ、蛇、虫など、この手のいかもの食いではおなじみのメンツをはじめ、アルカリ性のホンオフェは酸性のマッコリと相性が良いとか、マムシの卵黄はコクがあってカニみそのように濃厚だとか、カメムシも幼虫は薔薇のような耽美な匂いがするとか、雲南省のプーラン族は煮だせないくらい硬い茶を地中に埋めて発酵させて食べるとか、火腿は豚肉版鰹節で良い出汁がとれるとか、センザンコウは上品な淡味でウロコは蛍光作用があるとか、小泉先生ならではの旺盛な好奇心と科学的知見、フィールドワークに裏打ちされた、中国いかもの食いエッセイ。2021/02/23