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内容説明
この地球において人間として生をおくる期間、私たちはまるで休日の旅行者のようです。(中略)重要なことは、毎日意味のある人生をおくること、私たちが心に平和と調和をもたらそうとすること、そして社会に対して建設的に貢献することなのです。(「まえがき」より)世界が注目するダライ・ラマ十四世が、チベット仏教の精髄をやさしく語る。
目次
序章 一切の苦しみから解かれるために
第1章 縁起と空の思想―人はなぜ輪廻するのか
第2章 「悟り」への道―菩薩の慈悲心の実践
第3章 「仏陀の境地」へ―空を悟る意識
第4章 生死の意味―心は死を超えて存続する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
21
妻の法事に少林寺拳法の機構改革。この一年、ビジネスとしての仏教に直面し、宗教との距離感に悩んでいる。7世紀に三蔵法師が翻訳経文の限界を悟り、原典を求めたのとは対照的に、わが国は仏滅の1000年後に受容した仏教をさらに1400年間、中国語を介して学んだ。このため、独自の解釈が加わり、規律が緩和され多様化した。さらに、近現代の廃仏毀釈と宗教法人法により政治的に歪められた。そのため、仏教を葬儀用の儀式にしか思わない人も多いが、それはとんでもない勘違いで、仏教は体系化された生き方であり、学問であり、心の科学だ。2014/03/29
zoros
9
本格チベット仏教の入門。 考え方、実践方法が詳しくあり、また、何故仏教はそう考えるのかを論理的に説明しています。 他の宗派との相違点も優劣つけずに広い視点から紹介されています。 在家にいる人々のできること、考え方もあり、とてもためになりました。2021/03/02
はちめ
8
読んだのは1995年出版の物。1章から3章まではかなり煩瑣な密教の認識論と方法論が淡々と記述されているので簡単に理解できるものではない。第4章のみはインタビューを元にしているので、脳死など世俗的なことに関する解釈がある。観音菩薩の転生の人に対して疑いを挟むのは難しいが、ヨーガの行者に対して認識が甘いことをどう捉えたらいいのだろうか。本書においてもサイババが評価されているが、オウムや阿含宗に対して積極的評価をしたことをどう捉えているのだろうか。偉大な行者ではあるが世俗の人ではないということだろうか。☆☆☆★2021/06/24
うみぼうず
7
◆図書館本。◆ダライ・ラマによるチベット仏教の概説。仏教は科学とも繋がる部分があり、宗教でもあるし科学でもある。◆あらゆる事物は縁起しているがゆえに、実体として存在しない=空。◆縁起の詳しい解説があるが、理解に時間がかかる。◆仏教を扱った著作物の中でも、入門というレベルを超えた詳細な説明で、再読して理解を深めたい。◆リチャード・ギアの寄稿に驚き。◆役者あとがきが非常に完結に概要を説明していた。2017/07/03
tsubomi
6
2016.01.03-01.09:仏教についてわかりやすく例えを挙げながら解説。ダライ・ラマは総てにわたって寛大な考えの方だなあ、と実感。祈りを捧げるときには無理強いせず、自分の心地よく感じるなじみ深いやり方で行えばよい、と言っていて、仏像でもキリスト像でも拝んでOKとか。完全じゃなくてもいいんだ、と安心できました。また、仏教で大切なのはとにかく他者を愛し、他者のために自らを捧げ、他者と自己を対等に扱うこと、という簡潔さ。経典や修行の始め方やステップアップ方法にも言及。読み進むうちに心が落ち着いてきます。2016/01/09