出版社内容情報
神鳴り同心同心・尾上源蔵の「俠気」に惚れ、竜吉は盗賊から足を洗い源蔵の配下に。朋輩とともに源蔵を盛り立てる!
内容説明
不忍池の辺で口入れ屋『生駒屋』の主人の常五郎が殺された。その場に居合わせ、悲鳴を聞いた指物職人の彦次は、三人の男に襲われる。だが、下手人は奉公人の市助だという。手負いの彦次は、通りかかった益三に手当てされ、匿われた。市助が頑として罪を認めず、姿を消している彦次が鍵を握っていると見当をつけた源蔵は、行方を捜す。騒動の背後には、大きな闇が!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年東京生まれ。’83年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。’88年『絆』で日本推理作家協会賞、’90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
168
今回はハラハラしてページを捲った。冤罪はこうして出来上がり無実の人間の命が消されてしまうのか・・神鳴り源蔵の矜持が時間と闘う。間に合って良かった。だが、この手法は他の人には無理だろうし何度も出来ないよね。源蔵の正義は上の方々にはちょっと鬱陶しいかもしれません。良からぬ事を企む輩には尚のこと。それが心配な私ですが、覚悟のある漢はカッコイイ。源蔵にはこのまま行っていただきましょう(笑)2020/01/10
やま
90
人情同心 神鳴り源蔵シリーズの11作目。 2019.12発行。字の大きさは…中。 捕り物帖と言うよりは時代劇サスペンス。 定町廻り同心・尾上源蔵は、指物師の繁蔵親方の職人・彦次が行方不明になり探していたら、同じ所で口入れ屋・常五郎が殺されていたことが分かる。常五郎殺しは、勘定奉行所で行われている大掛かりな不正であり、下手人として捕まえた者は下手人でない旨を、南町奉行に話すが聞き入れられず。 最後に源蔵は、死に装束を下に着こみ登城する老中の籠に直訴をするが…。 あぁ~、もうこれで。このシリーズも完結かと…。2020/02/26
とし
81
人情同心 神鳴り源蔵「駆ける稲妻」11巻。さすが人情同心神鳴り源蔵、奉行所の強引な拷問で死罪にした人を、死装束を着流しの下に着込んでまで老松山越前守に駕籠訴をカッイイですね。上層部には益々煙たがられるが、庶民の味方を期待してます。2020/02/17
犀門
5
No.064★★★★★あくまでもクールな源蔵さんの魅力満載。奉行所の嫌味な上役の叱責にも負けずに、ひたすら真実を追求する姿が格好いいわ。2020/06/09
Western
1
人情同心と銘打つ主人公、人の命を大切に感じて組織のゆがみに挑戦していく姿にハラハラドキドキさせてもらいました。この時代の人物としては稀有のそんざいなのだろうね。 2022/04/22