出版社内容情報
「冒険的人生」を送ってきたヒキタクニオが、45歳を過ぎて思い立った子作り。「懐妊トレーニング」の日々が始まった……。
内容説明
「ヒキタさんの子どもの顔が見てみたい」三五歳の妻が、何気なく言ったひと言で、四五歳の作家は子どもを作る決心をした。排卵日を割り出すタイミング法を取り入れたが、一年あまり結果が出なかった。検査を受けると、精子の運動率が悪いと診断され…。そこから長い長い「懐妊トレーニング」の日々が始まった!男性から見た不妊治療を綴ったドキュメント。
目次
序章 本当に子どもが欲しいのかねえ?
第1章 まずはカレンダーに○印を付けるのである
第2章 不妊治療と呼ぶな受精行動と呼べ
第3章 身体合わせ、心合わせ
第4章 いろんなことを乗り越えて、我々は再出発する
第5章 顕微授精、料金は四五万円なり
第6章 ドキドキしながら胎児を育てる日々が続く
第7章 いよいよ最終局面へ
著者等紹介
ヒキタクニオ[ヒキタクニオ]
1961年、福岡市生まれ。2000年、渋谷の若きナショナリストたちを描いた『凶気の桜』でデビュー。同書は窪塚洋介主演で映画化もされ、ベストセラーとなる。2006年、『遠くて浅い海』で第8回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
185
結婚したら子供がいる生活も当たり前だと思ってはいけない。欲しいときに出来るとは限らない。持たぬ人、出来ぬ人。結婚だけが全てでもないーこれはヒキタクニオ氏の『そして、父になった』男性から見た不妊治療ドキュメント5年と言う歳月にお金もかかる。それでも子供が欲しい。産んだからには責任もって育てるのみ。親馬鹿ちゃんりん、空ちゃんはすくすく成長8歳だそうだ。そうか、これは映画化されて、松重さんと北川さんなのか!そっちも気になるところだ。2019/09/24
papako
57
松重豊主演映画化って?と手にとりました。妊娠したことも不妊治療したこともないし子供を欲しいと思ったことがないので、その大変さは他人事でしかありません。どれだけ理不尽で不安で苦痛で心細いことなのか。そして男性のヒキタさんの視点で書かれているので、そういえば、そこ語られないね。と思うことがたくさんありました。そっかぁ、精子を元気にする薬も治療法もないんだ。そこ、大切なんじゃないの?この春から不妊治療保険適用始まりますよね、多くの人たちが望みを持てますように。映画も見ようと思います。2022/04/01
ゆきらぱ
41
男性作家の珍しい不妊治療記。書かれているのは大変な毎日である。ご夫婦の間が強い信頼で繋がっているのを感じる。ここまで詳しく書かれていると貴重な書物という気がした。と同時に、ご夫婦に対してちょっと違うなという思いもたまにあった。なんかちょっとズレている。なんか周囲の人々の思いがこの2人に伝わっていないのではと思う時がある。特にヒキタさんは周囲には素のままぶつかるが、妻には非常にデリケートに接する。アンバランスでした。 赤ちゃんの写真が神々しかった。2021/08/15
カブ
38
松重豊、北川景子で映画化、10月公開!不妊治療を「懐妊トレーニング」と前向きなことばで表し、夫の目で描く。もっとコミカルな感じなのかと思っていましたが、途中悲しいことがあったり、何度もチャレンジするドキュメントです。2019/06/22
ケー
18
久しぶりに心の芯まであったかくなる本に出会えた。高齢出産のドキュメンタリー。女性から見た出産をテーマにした本といえば川上さんの『きみは赤ちゃん』があるけれど、本作は男性目線から見ているので同性の自分としてはより共感というか、より子どもをつくるっていうことがジワッときたというか。いや、結婚すらしてないんですけどね自分。不妊治療に関するルポが主になるのでお金の話も結構シビア。でもそれを乗り越えたヒキタさんの幸せそう顔が浮かぶようでした。誰にでもオススメできる一冊です。2020/05/23
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- 和書
- 氷獄 角川文庫