光文社文庫<br> キッド・ピストルズの醜態―パンク=マザーグースの事件簿

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光文社文庫
キッド・ピストルズの醜態―パンク=マザーグースの事件簿

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  • サイズ 文庫判/ページ数 383p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334778460
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

スコットランドヤードの腕利きパンク探偵、キッド・ピストルズが風変わりな密室見立て殺人の真相に挑む! シリーズ完結編。

内容説明

見知らぬ部屋で目覚めた作家が発見したバラバラ死体。トリッキーな密室殺人の謎を描く「だらしない男の密室」。刑務所に収監されているはずの猟奇殺人犯が再び目撃された。犯罪者の狂気に迫る「“革服の男”が多過ぎる」。シリーズ中もっとも実験的な設定に幻惑される異色作「三人の災厄の息子の冒険」の全三編。パンク刑事の推理が冴えるシリーズ第五弾、待望の文庫化!

著者等紹介

山口雅也[ヤマグチマサヤ]
神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業。大学在学中の1970年代からミステリ関連書を多数上梓し、’89年に長編『生ける屍の死』で本格的な作家デビューを飾る。’94年に『ミステリーズ』が「このミステリーがすごい!’95年版」の国内編第1位に輝き、’95年には『日本殺人事件』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

29
『だらしない男の密室』名探偵が密室の謎に挑むミステリのコードで引き回し、お約束をひっくり返す。このアイデアが後に使い倒されてしまい翻って古びた感じ。さらに一捻りは面白い。『〈革服の男〉が多すぎる』ネガとポジの反転によって見えていたものを変える手は嵌っている。真犯人を隠すつもりさえない手がかりがあからさまなのはどうよ。『三人の災厄の息子の冒険』書かれた当時なら「世界そのものを疑う」新しさがあったが技術の進化により手垢がついてしまったものに見えてしまう。2019/12/27

マッちゃま

19
待ちに待った初文庫化やっほい♪ 3編の中編ミステリが詰まったシリーズ第5弾。外部からの出入り不可の部屋に生者と死者。生者が犯人でないのならば、誰が?どうやって殺したのか?「だらしない男の密室」捕まった筈の皮剥殺人鬼 革服の男。ある霧の日で革服の男を見た女。近くに居た男女は見ていないと言う「革服の男が多過ぎる」監禁され斧で殺害された娼婦。殺したのは誰だ⁉︎「三人の厄災の息子の冒険」全編にマザーグースのテイストを散りばめた捻りの効いたミステリ。本書もオサレでカッチョイイ作品です。いつかまた新作を読みたいっす。2019/05/27

広瀬研究会

6
登場人物たちが記憶のあやふやさに悩まされる3篇で、霧の中をさまよい歩くような雰囲気を感じた。タイトルに「醜態」とある通り、キッドの謎解きもなかなか調子が出ないみたいで、いっそうもやもやするけど、こんなキッドもたまには良い気がする。3篇の中では『《革服の男》が多すぎる』のスリルとマニアックさが山口さんらしくて、さすがだなあ。2019/08/13

山崎にう

4
購入。パラレル英国を舞台にふたりのパンク刑事が活躍する連作推理中編集。物語に片付けられない症候群やサブプライムローン破綻など2000年代の話題が出て、書かれた時期が近年に近づいたのが分かりやすい。キッドの醜態とピンクの勝利の組み合わせが面白かった。羊たちの沈黙へのオマージュの回はオチが読めたが、キッド・ピストルズらしくて好き。最後収録の話は背景が読めたが、これはあの映画とかあの漫画を知ってたからだろうなあ。2020/10/18

花嵐

3
★★★☆☆ キッド・ピストルズシリーズ。中編が三編収録されている。相も変わらずなキッドの推理が冴えわたる本作。一番ミステリしてたのは「だらしない男の密室」かな。「革服の男が多過ぎる」での「羊たちの沈黙」パロや犯行の必然性の点も良かったが、「だらしない男の密室」でのオチの部分が特に良かったように思う。「三人の災厄の息子の冒険」はちょっと異色作過ぎて、ミステリであるとは思うものの少しばかり受け付け難い。2021/10/26

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