出版社内容情報
坂岡真[サカオカ シン]
著・文・その他
内容説明
書院番与力の月崎兵衛が小伝馬町の揚り座敷から破獄した。目付たちが必死に行方を捜す中、将軍の毒味役である御膳奉行の矢背蔵人介の前に月崎が現れた。月崎は、蔵人介が以前、御前試合で唯一不覚をとった相手。剣友として事情を聞いた蔵人介は、苦界へ身を落とした月崎の妻を捜し始めたが…。そして、衝撃のラストが待つ!超人気シリーズ、待望の二十五弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
150
いや~、なんだか佳境に入ってきた感じですよ。またしても「どうどうたらり・・」が、この先どう絡んで来るのでしょうか。義母・志乃の行方は?早く次巻が読みたい。今回は3話共に色々と感じるところがありました。養子・卯三郎がこの裏のお役目に不安なこと、妻・幸恵にいよいよ本当のことを告げる時期が来ていること。如心尼に盤石の信頼が置けないこと・・くぅ~私の心を不安にさせたまま年越しかぁ。2018/12/10
KAZOO
100
いつも思うのですが江戸時代の大名や旗本にこんなに悪いことをする輩がかなり多くいたのでしょうか?最も悪人がいないとこのシリーズも成り立たないのでしょうが。悪人を懲らしめる指示は尼さんが請け負うことになります。「女手形」などはこんなことをする役人がいたのか、とあきれます。また「痩せ男」がでてぉてこの間の最後では、主人公の義母が薙刀とともに姿を消します。2024/09/03
とし
88
鬼役「引導」25巻。橘右近に代わり密命を下す人物が現れましたね、万里小路局如心尼にまだ半信半疑なのか、蔵人介単独行動が多かったかな、串部、伝右衛門、市之進、卯三郎それに志乃、幸恵まで総動員最後は志乃が行方不明に、どうどうだらりの痩せ男が出てきましたよ、次巻を待たねば。2019/04/29
えみ
45
どんなに困難が待ち受けていようと、道理に合わない剣は抜かない。将軍家毒味役でありながら幕臣の不正を断つ暗殺役として矢背蔵人介が活躍する鬼役シリーズ。気がつけばもう25巻。長い付き合いになっている。だから彼が歩んできた困難な道に危うさと同情、そして迫りくる最大の敵「痩せ男」の不気味さに不安しか見えない。その不安が的中するのはラストだが…もう神がかった蔵人介の剣でさえ叶わない悪鬼が虎視眈々とその時を待ち構えている画がはっきりと映った今となっては固唾を呑んで見守るしかない。救っても悲しみが付き纏う展開。虚しい。2024/08/03
ベルるるる
26
今作は悲しかったし読んでて辛かった。奥右筆の笹毛が無残にも殺され、陥れられた月崎夫婦の哀れさ。だけど、この辛さを救ったのが蔵人介の妻幸恵と母志乃の存在だった。妻と母、二人の覚悟や強さや明るさが今作を救ったと思う。それなのに志乃が消えた。2019/04/06