光文社文庫<br> キッド・ピストルズの妄想―パンク=マザーグースの事件簿

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光文社文庫
キッド・ピストルズの妄想―パンク=マザーグースの事件簿

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  • サイズ 文庫判/ページ数 487p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334777500
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



山口雅也[ヤマグチ マサヤ]
著・文・その他

内容説明

塔から飛び降りた学者の死体が屋上で発見された!?北村薫氏絶賛の「神なき塔」をはじめ、ノアの箱舟を模した船での密室殺人「ノアの最後の航海」、貴族庭園の宝探しゲームが死体発見に発展する「永劫の庭」など、妄想と奇妙な論理に彩られた三編を収録。名探偵が実在するパラレル英国を舞台に、パンク刑事キッド・ピストルズの推理が冴える中編集が改訂新版で登場!

著者等紹介

山口雅也[ヤマグチマサヤ]
神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業。大学在学中の1970年代からミステリ関連書を多数上梓し、’89年に長編『生ける屍の死』で本格的に作家デビューを飾る。’94年に『ミステリーズ』が「このミステリーがすごい!’95年版」の国内編第1位に輝き、’95年には『日本殺人事件』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オーウェン

55
第3弾は妄想の名の通り、ほとんど狂気ともいえる理論を実践しようとする人間。 その場にキッド・ピストルズやピンクがおり、事件を解明していく。 「神なき塔」塔から落ちたはずの博士が、なぜか塔の屋上で死体となり発見の経緯。 「ノアの最後の航海」ノアの箱舟に見立てた客船の中で起きる殺人。 ノアの執念を利用する犯人の復讐がおぞましい。 「永劫の庭」 宝探しゲームから始まる殺人事件。 犯人がなぜ首を切ったのかに対する合理的な理由に納得。2023/06/22

ポップ

34
シリーズ2作目。怜悧で陰鬱なキッド・ピストルズと悪戯好きのピンク・Bが関わった3つの事件簿。ハンプティ・ダンプティそっくりな博士が反重力の実験を行う「神なき塔」、<つむじ曲がりのメアリー>の庭で<おせっかい>する「永劫の庭」の2つは鮮やかな手並だ。後者は、宝探しゲームの謎解き、知的な会話、癖のある登場人物は、翻訳作品と遜色ない。探偵士ボワロオが口にするフランス語とスノッブ振りは自称ポアロの係累だけある。キッドが廃墟の美学を理解し、無常観を経験する場面は、絵画的庭園の情景が目に浮かぶよう。犯人X説は万能だ。2020/05/16

geshi

33
『神なき塔』ハンプティ・ダンプティとバベルの塔をモチーフにした歪んだ二つの〝転落”殺人。難解な重力論争や異常な行動から被害者の属性が明らかになる狂気の論理の通し方。外と内の誤認はシンプルにして盲点。『ノアの最後の航海』被害者にとって方舟とは何か?の思考を辿る物語。凶器の移動についてのロジックでミステリらしさを保った感。『永劫の庭』ネガとポジとなる首切りのホワイダニット。妄想を庭という形で体感することで真相が分かる、過程そのものが宝探しのよう。2019/01/19

かめりあうさぎ

26
シリーズ第二弾。中編3話収録。タイトルの通り「妄想」がテーマとなっており奇人変人ばかり出てきます。その偏狭な部分が事件そのものに大きく影響していて、単純なフーダニットよりもホワイダニットにウエイトが大きかった印象。特に英国庭園を核にした「永劫の庭」が面白かったです。2021/11/23

コチ吉

13
このシリーズ、タイトルから何となく敬遠される向きがあると思うが、とんでもない傑作だ。三作とも現実離れした妄想(狂気)の世界ならではのロジックを展開しながら説得力がある。「神なき」「ノア」が良いが、「永劫」の詩情もなかなかのもの。 2019/05/17

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