出版社内容情報
蓮見恭子[ハスミ キョウコ]
著・文・その他
内容説明
倉本歩は港ケ丘高校一年。テレビで見た同い年の庄野瑞希の走りに圧倒され、彼女のように走りたいと陸上部に何とか入部するが、他の部員たちについていくのも大変だ。ある日、その瑞希が同じ高校に進学していることを知る。しかし、憧れた彼女にかつての面影はなく―。走ることが大好きで、仲間を思い、笑い、時に泣き、駆け抜けていく少女たちの青春駅伝小説。
著者等紹介
蓮見恭子[ハスミキョウコ]
大阪府堺市生まれ。大阪芸術大学美術学科卒。2010年『女騎手』で第30回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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三代目 びあだいまおう
277
涙腺弱いなぁホント。大体は上を向いて指で押さえてしばらくすれば涙を止められるのに、ティッシュ出ちゃった!高校女子の駅伝ストーリー!中高で駅伝やってましたので駅伝モノいくつか読んでます。『風が強く~』『チーム』『あと少し~』など。どれも素晴らしい作品!でも私は本作が一番泣けた!多感な高校生時代、学校や家庭のあれやこれやに『自分では対処できない』と悩む年頃。さらに友情、先輩後輩、自分のアイデンティティーと、未熟複雑な思春期に、壁を乗り越え目指す夢!電車内でみっともない姿を晒した私のお薦め青春ストーリー‼️🙇2019/05/09
しんごろ
147
高校女子駅伝の魅力が溢れてて、思わずエールを送りたくなる物語。レース中のランナーの心理描写が見事。レースの臨場感がすごい。そして、中継所で待っている彼女等がレース状況を気にしたりして緊張感があると思ったら、楽しんでるというか、リラックスしてるというか。携帯電話の時代から、こんなやりとりしてたんだろうとイメージが湧く。何をするにしても、好きなことに打ち込むことは、美しくもあり格好よくもある。部活動に打ち込む学生達よ!仲間を思い、笑い、時には泣き、多いに青春を謳歌してほしい。2024/12/01
カレイ.シュウ
82
高校女子駅伝のお話。中学最後に助っ人で駅伝を走った主人公が、全国大会を目指す高校駅伝チームにはいって成長していく。訳アリの天才ランナーや、口の悪い双子のかたわれ等個性的なメンバーとのやり取りは楽しく読めます。女子スポーツ選手ならではの困難や業界の問題点も書かれ、決してきれいごとだけでないのが物語に厚みを持たせています。最後の一人一人の目線で書かれる県予選は泣けます。良作。2019/06/18
ジュール リブレ
78
まだまだヒット作には恵まれてませんが作者の蓮見恭子さん、なかなか相性良さそうです。出張の大阪駅で見つけた『たこ焼き屋の岸本』シリーズのノリにハマって『襷を。。。』の駅伝・陸上シリーズは、また別の顔なのに臨場感満載。ますます楽しみになりました。本作は高校女子駅伝のお話。シリーズ一作目だそうです。2022/05/25
ちょこまーぶる
69
読後は「この本好きだなぁ~」と思った一冊でした。女子高生の駅伝の話です。登場人物のキャラクターがしっかりとしていて、それぞれが悩みを持ちながら走ることを意味、駅伝・そして襷を繋ぐ意味を部活動の様々なアクシデントや人間関係から答えを見つけ出して、結果に結びつけて次のステップに襷のように繋げていくという内容で、高校生らしく純粋に葛藤と向かい合っている姿に、心が洗われるような気がしました。テレビで駅伝を見ていて、くぎ付けになるのも解る気がしますね。1年の初めの一冊としては、良いスタートダッシュが切れそうです。2022/01/08