出版社内容情報
阿野冠[アノ カン]
著・文・その他
内容説明
野球推薦に落ちた荒川乱歩は、新設された谷根千高校探偵科に通うことになった。入学早々に出された課題は、二年前に地元で起きた『S字坂の殺人事件』の再調査。犯人はいまだ逃走している。曲者ぞろいのクラスのリーダーに指名されたその夜、客から引き取った古椅子の中から死体が出て、乱歩の父は容疑者になってしまった―。高校生探偵の推理が冴えわたる!
著者等紹介
阿野冠[アノカン]
1993年6月2日生まれ。東京の下町で野球少年として育つ。慶應大学法学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ami*15
49
「S字坂の殺人事件」と椅子の中から出てきた死体という2つの物騒な出来事と“名無しのA子”と名乗る少女の謎に強烈な個性を持つ高校生たちが挑んでいく物語。表紙の雰囲気で何となく手にしてみたけど、まずとにかく作中のノリがくどくて自分には合わなかったです…。江戸川乱歩の代表的な作品を知っているとそれなりに楽しめたネタもありましたが、乱歩作品になぞらえた各章タイトルもちょっと無理があるように受けたし、一連の謎の結末もなんだかぼんやり描かれていた感じがして読後もあまり良くないかな?と申し訳ないけど思ってしまいました。2018/09/20
みやしん
3
大谷翔平選手渡米後の作品だけどゼロ年代ポップカルチャー的雰囲気な文体。ノリは好きな部類だけど、行き当たりばったりの設定遊びが多く、端緒の人間椅子と轢き逃げ事件が一致すると断じた根拠を始め'チョット待テ'となりけり。主人公の言うように終わってみれば単純な事件で、ミステリアスなメインヒロインと生き別れの母親を重ね合わさせた企みは良かったんだが、もっと効果的なやりようはあっただろう。2022/08/17
やいとや
2
なんつーか、気持ち悪い。なんつーかソリが合わない、という言い掛かりに近い読後感。会話がどれも薄ら寒いし、展開も雑。ミステリとしてはいい加減(悪い意味で)過ぎる、と久々に途中で放り出すのも検討してしまった。「男性作家の書く女性キャラの非現実性」とか、フィクションなんだからどうでもいいだろ派なんだが、この作品の女性キャラの気持ち悪さはどうにもそれを考えざるを得なかった。かと言って男性キャラが良いか、というと酷いんだけどね。「クッフフ」って笑い声にはマジで鳥肌立った。逆の意味で読者の感性を揺さぶる一冊。2024/09/10
銀華
2
探偵科の高校で、地元の未解決事件を解決するように課題を出された。生徒で唯一現場を知る主人公の父が殺人事件の犯人扱いされ――素材とあらすじに惹かれたけど、私には合わなかったです。キャラ文庫の割には登場人物の魅力や、友情(相棒感)の爽やかさと甘酸っぱい恋愛が伝わらず、上手く調理できなかったかと思いました。事件も中盤で犯人像が浮上しているにも拘らず、諄いくらいの捜査描写で、キャラ文庫ということか人物を絡ませる描写を多く入れたかったかという印象を受けました。単なる作者との相性が悪かっただけかもしれないと思います。2019/08/18
nyapoona
2
期待していなかった割には存外面白かった。とはいえ、これはミステリなのかと言われるとかなり疑問符が付き文章のおっさん臭さがきついなどなんかモヤモヤする作品。2018/12/21
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- 和書
- 本物みたいなバラの折り紙