出版社内容情報
松本清張[マツモト セイチョウ]
著・文・その他
内容説明
金を借りた岸井老人が殺され、麻佐子は隆子のことが気がかりだった。そして、別居を始めて傷心の信雄も心配で、叔母夫婦に降りかかった一連の問題を調べ始める。大学時代の旧友で、交通関係の業界紙に勤める西村五郎を思い出し、相談を持ち掛けるのだが、殺人は続き―。『おくのほそ道』を手に回った旅が悲劇を呼んだ。松本清張、快作長編ミステリー。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年北九州市生まれ。給仕、印刷工などの職業を経て、朝日新聞西部本社に入社。懸賞小説に応募入選した「西郷札」が直木賞候補となり、’53年に「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。’58年に刊行された『点と線』は、推理小説界に「社会派」の新風を呼び、空前の松本清張ブームを招来した。ミステリーから、歴史時代小説、そして古代史、近現代史の論考など、その旺盛な執筆活動は多岐にわたり、生涯を第一線の作家として送った。’92年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MATHILDA&LEON
28
下巻に入り、より深まる謎に翻弄されながら、結末まで走り抜ける。段々と悲哀が深くなり、やりきれなくなる展開に。あの時こうであればと思っても、時すでに遅し。。。辛い物語であったが、読み応えは十分で、1960年代に描かれたとはとても思えなかった。今読んでも違和感が無いのは、著者のセンスによるところが大きいのだろう。2020/09/10
ランラン
8
意外な結末。謎が謎を呼ぶ展開に想像を超えた面白さだった。これだから著者の本はまた読みたくなる。2022/04/22
パチーノ
7
どこかで救われなかったのだろうか。悲しい結末。2018/11/07
Akiko Nakano
3
清張らしからぬ文章とストーリーですが、レディース雑誌の連載と判って、納得です。まるで2時間ドラマの原作みたいです(笑)これはこれで、楽しめます。清張の旅シリーズ。この時代の移動時間を感じて、楽しめます。2024/10/03
紅茶派
1
すべての発端となった、隆子の茅ケ崎でのことや、結末などは、ヤングレデイという雑誌の読者に、ふさわしいものだったのだろうか?2022/12/14