出版社内容情報
欲にまみれた面々が地下銀行の隠し金をめぐり起こる大争奪戦。直木賞作家の初期傑作3ヶ月連続刊行第2弾
内容説明
父親の墓石会社で働く新納礼は、中国進出をもくろむ父から、中国語学習を命じられる。知人の大学講師、大友翔子の教室に通えというのだ。一方、闇金を営む瀬川公平の下で働く密入国者の林傑と羅偉慈は、瀬川が貯め込んだ隠し金を奪う計画を企てていた。瀬川の孫娘の翔子を狙い、教室へと乗り込むが―。ユーモラスでシニカル。とびきり鮮烈な犯罪小説の傑作!
著者等紹介
東山彰良[ヒガシヤマアキラ]
1968年台湾生まれ。第1回『このミステリーがすごい!』大賞銀賞・読者賞を受賞し、2003年『逃亡作法―TURD ON THE RUN』でデビュー。’09年、『路傍』にて大藪春彦賞を受賞。’15年には『流』で直木賞、’16年に『罪の終わり』で中央公論文芸賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
76
東山作品コンプリートに向けて。中国、台湾、前科者の日本人ブラザーズ入り乱れて博多が暗黒街と化す。全編に散りばめられたウィット。ばかで可愛い登場人物たち。あとがきは最高♪ ああ、楽しかった。まあ、思うとこはあるんだけれど、今の東山作品にぞっこん惚れこんでるわけだから、若い頃も素敵ねってなるわけさ。いや、本当に素敵。トム・ジョーンズの『ポット・シャック』や『ダイナマイト・ハンズ』を思い出す読み心地。クールに振る舞えば振る舞うほど、せつなくて愛しくなる男たち。そして、やっぱりヒロインがいい。2021/05/19
塩崎 周司
11
東山彰良の初期クライムノベル三部作第2弾である。お馴染みの台湾人、中国人、日本人入り乱れての悪役小説。前日、15年生きた愛犬が亡くなった。気分が落ち込んだとき、むしろこういう善悪の範疇を超えた、何も考えずにのめり込める痛快ハードボイルドがいい。2017/11/16
塩崎 周司
10
再読。再読。直木賞作家東山彰良のクライム小説三部作第二弾。第三弾は来年一月文庫刊行予定。楽しみである。2017/12/20
みくに
5
クリスが格好良い。人が良くてちょっと強い礼よりもクリスが主人公だったら序盤もだらっとしなかったんじゃないかなあ。最後は礼が全部持って行ってもいいからさ(笑)2018/06/08
小説好きな施設長
3
東山彰良初期作品の一つ。ブラックライダー以前の作品でお馴染みの青春クライム小説。他の初期作品の比べ下品さは抑えてあり万人に読みやすい作品だが、残念ながら東山らしさは皆無で後に傑作を生み出す気配は全くない。今となってはコレクターアイテムの一種。2025/06/10