出版社内容情報
奈良時代、東北を舞台にくりひろげられる壮大歴史スペクタクル。解説はあさのあつこ
内容説明
八世紀後半、東北地方には蝦夷とよばれる先住民が独自の文化で生活を続けており、そこへ豊かな資源を求めて大和朝廷が侵略を始めていた。東北地方で滅ぼされたアビ一族の生き残りにして鮫狩りの少年アビは、鮫狩りの師匠オンガとともに想い人宇伽の影を求めて故郷へ。そこでアビが見たものは―。戦後児童文学を作り上げてきた著者が遺した感動の大作、初文庫化。
著者等紹介
後藤竜二[ゴトウリュウジ]
1943年、北海道生まれ。早稲田大学文学部卒業。1967年『天使で大地はいっぱいだ』(講談社)でデビュー。『白赤だすき小○の旗風』(講談社、新日本出版社)『少年たち』(講談社)で日本児童文学者協会賞、『野心あらためず』で野間児童文芸賞、『故郷』(偕成社)で旺文社児童文学賞、『おかあさん、げんきですか。』(ポプラ社)で日本絵本賞大賞&読者賞受賞。児童文学作家として活躍のかたわら、全国児童文学同人誌連絡会「季節風」の代表を長く務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
7
読書会【テーマ 子どもも大人もこころふるえる本の持ち寄り】2017/11/28
yamakujira
4
宝亀の乱の前夜、陸奥の不穏な情勢を、単なる反乱じゃない新解釈で楽しませてくれる。故郷を踏んだアビが主人公かと思ったら、呰麻呂が主役だったのか。児童文学らしいけれど、大和朝廷と蝦夷の対立という単純な図式じゃないから、描写が浅く感じることを措けば大人にも読み応えのある物語だな。蝦夷にも、呰麻呂のように朝廷との対立を納めようとする者もあれば、モレのように反抗する者もあり、道嶋大楯のように朝廷側で出世を目論む者もいて、好き嫌いはともかく、真綱や灘麿も含めて、それぞれの男たちの信念が熱く伝わる。 (★★★☆☆)2018/06/21
月式
1
いわゆる宝亀の乱の大胆解釈版。武力と移民政策で侵略してくる大和朝廷と独立の為に抵抗する蝦夷との間で共存共栄の道を模索するが結局恋愛脳の伊治呰麻呂メインのお話。もしくはモシリ婆こそが主役かもしれない(ダイライハン的なあれです)2017/10/07
dann_ria358
0
時代物語はあまり得意ではないが、熱が伝わってくる作品。再読して、もっと良さを味わいたい。2018/01/15
一五
0
元児童書らしいが、骨太な作品という感じ。朝廷の東北侵略か、う~。2018/01/12
-
- 電子書籍
- SUBARU MAGAZINE vol…
-
- 和書
- くんずほぐれつ 文春文庫