出版社内容情報
矢背家の跡継ぎの軽はずみな行為が矢背家を窮地に立たせることに……。そして、大事な登場人物に死が!
内容説明
「女官をひとり斬ってもらう」―将軍毒味役の矢背蔵人介は、御小姓組番頭の橘右近から裏御用を命じられる。水戸家の政を父親の陰陽師とともに壟断している奥向きの女官を調べる蔵人介の前に「天保銭」にかかわる悪事が浮かぶ。そして、現われた覆面の刺客。蔵人介はこれまでにない最大の窮地に。卯三郎の恋、矢背家の総力戦など、濃厚すぎる人気シリーズ第二十二弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
100
鬼役「宿敵」22巻。舅、卯三郎、姑に引っ張り回される蔵人介さん「どうどうたらりたらり、たらりあがりららりづ、・・・・」痩せ男の面なのか顔なのか姿が見えぬ者との決着は次回にか。2017/12/10
いつでも母さん
94
シリーズ最新22巻目。「どうどうたらりたらりら・・」不気味な寿詞が響く。術使いとの決着は次巻へ持ち越しかぁ。黒幕だってアイツだろうに・・まったく誰の作品でも顔をだす奴は悪役。今回は舅の危機から始まったが、どうにもスッキリしない。公儀が贅沢禁止を命じてもどこかで誰かが出世の為に湯水の如く金が流れる。庶民の怒りの矛先は何処へ?ん~ん、これは次回への前触れでしかないのか?ドキドキしながらもう、次が待ちきれない。卯三郎もまだまだで、姑・志乃さんは相変わらずだし・・鬼役様、苦労がいまだ絶えずだ。2017/08/26
KAZOO
92
今回は毒見役の相方に桜木と代わりの新人が出てきます。この人物も箸にも棒にもかからないような人物です。三つの話がありますが、最初は義父(妻の父)が捕まってしまうことから事件が少し込み入ります。この三つの話に共通するのは、主人公よりも手練れで能の「痩せ男」の面をかぶった人物が出てきます。かなりの敵なのでしょう。主人公の後継者となった人物にも試練が訪れます。最後の話では、義母や妻の活躍が見られます。家族総出になってきました。2024/08/21
えみ
47
恩も役目も常識も、全て捨て去り駆け出したい瞬間がある。若ければ若いほどそんな感情が湧き上がり、誘惑と道徳の間で思い悩む回数が多いのではないか、と思う。どうにもならない立場と自重する心。一歩踏み込むことで多方面に与える影響を考えてしまい臆病になる。…詮無きこととはいえ、切なすぎた恋。鬼役の洗礼は人も場所も時期も何もかも選ばずどんな時でも浴びなければいけない。表の顔は将軍家毒味役、裏の顔は幕臣の不正を断つ暗殺役・矢背蔵人介とその家族に与えられる試練の数々に目が離せない濃厚時代小説「鬼役シリーズ」第22弾!2024/06/29
ベルるるる
26
矢瀬家は次から次へとピンチの連続。家族それぞれが戦うしかない立場に追い込まれていく。卯三郎は哀れだった。大きな心の傷は抱えたまま、そして傷を残したまま、それを隠して生きて行くのだろう。顔の見えない怖ろしい敵が登場したけど、それは志乃の遠い記憶にはあるのだろうか。志乃と蔵人介が待つ茶屋に橘右近は来ない。2017/12/17