出版社内容情報
山前譲[ヤママエ ユズル]
連城三紀彦[レンジョウ ミキヒコ]
我孫子武丸[アビコ タケマル]
伽古屋 圭市[カコヤ ケイイチ]
大下 宇陀児[オオシタ ウダル]
快楽亭ブラック[カイラクテイブラック]
那伽井 聖[ナカイ キヨシ]
結城昌治[ユウキ ショウジ]
都筑道夫[ツヅキ ミチオ]
内容説明
落語と推理小説は昔から深い縁があった。明治期、黒岩涙香が探偵小説を紹介する前に、かの大名跡、三遊亭円朝が、なんと翻訳ミステリーを高座にかけていたのだ。また、大乱歩は英人落語家、快楽亭ブラックの探偵小説に注目、以後多くのミステリー作家が落語を題材にさまざまな作品を発表してきた。本書は古典的名作から気鋭の秀作まで、ハズレなしの八編を収録!
著者等紹介
山前譲[ヤママエユズル]
推理小説研究家。1956年北海道生まれ。北大理学部卒。2003年江戸川乱歩研究書の最高峰といえる『幻影の蔵』(東京書籍刊、新保博久氏と共著)で日本推理作家協会賞を受賞。数多くの文庫解説の執筆、アンソロジーの編纂に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
147
落語関連の推理小説でかなり選者である山前さんの好みが反映されている感じがしました。快楽亭ブラック、都筑道夫、大下宇陀児、結城昌治、連城三紀彦、安孫子武丸など8人の作品が収められています。「変調二人羽織」がやはり最初に来たかという感じです。何度読んでも素晴らしい短編です。昔亭口上でかなり解説されているのが参考になりました。2017/01/18
sin
65
三紀彦:東京の空に一羽の鶴…風情ある絵が浮かぶようで実際に飛んだとなるとそれほどでもあるまい、語り口は上等だがリアルの中に架空のミステリーを表出するこの手は、オチも鶴でよくできているように思えて途中鶴の扱いがリアルを崩すようで苦い。武丸:元ネタをなぞった所が不自然な運び、殺人に至る動機も不出来な印象。圭一:主人公の行く末を追って応援したくなる。ブラック:作者の経歴等興味が尽きない。宇陀児:落語家が登場、ただそれだけ。井聖:いわゆる犯人当て…作為在りすぎで興ざめ。昌治:人を食った…。道夫:悪党よ、なぁ~。2017/02/02
たち
33
落語とミステリーのコラボレーションというところでしょうか。我孫子武丸さんや、あの快楽亭ブラックさん、都筑道夫さんの砂絵のセンセーまで登場して、大変読みごたえがありました。中でも、伽古屋圭市さんの「崇徳院」が良かったです。他のものも、読んでみたくなりました。 2017/05/24
小梅さん。
14
タイトルと連城先生の名前に惹かれて購入。 落語とミステリって、すごく相性がいいと思う。 作家さんは、最初のお2人と最後のお2人しか知らなくて、好みの作品も、この方々のもの。 しょっぱなから連城先生の世界に一気に引き込まれる。 あの結末は、まさに連城節。まさに鶴のように美しい作品。 続く我孫子先生の作品は一転して古典落語の世界を見せてくれる。 「落研の殺人」は、お見事!見事にしてやられる快感。 2017/01/16
のんちゃん
13
落語に因んだミステリーアンソロジー。落語大好き、ミステリーはすきなジャンルの私にはうってつけの一冊と思い読了。かなり古いものから現代作品まで趣向を凝らした誂えで楽しめた。また、編者の山前氏の席亭口上という名のあとがきの中の落語とミステリーに関する解説がとても貴重でためになった。先頭をきって収録されていたのは連城三紀彦先生の『変調二人羽織』。連城作品は若い頃好んで読み、舞台化されたものまで観に行った事を思い出し懐かしかった。2017/04/16