出版社内容情報
夏樹静子[ナツキ シズコ]
内容説明
二十九歳の桐子は、求婚してきた吉森と萩の温泉に来ていた。だがその夜、桐子は宿を抜け出し別の温泉宿へと向かう。そこで待っていたのは過去五年間、秘密の関係を続けてきた妻帯者の湖島だった。桐子の胸に秘められた、ある決意とは…。(表題作)秘密の愛に彷徨う女たちが最後にとった驚愕の行動―ミステリー界に大きな足跡を残した著者の魅力溢れる傑作短編集。
著者等紹介
夏樹静子[ナツキシズコ]
東京生まれ。慶應義塾大学英文科卒業。大学在学中に『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補になる。1970年『天使が消えていく』が再び江戸川乱歩賞候補。’73年『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞受賞。2006年には第10回日本ミステリー文学大賞を受賞した。’16年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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冴子
29
夏樹さんがまだ若かった頃からのファンだったので、昨年亡くなった時はショックだった。しかし久しぶりに読んだ短編集は40年も前のものだけに、心理やトリックは見事だが、年齢や仕草などがいかにも古いのは仕方ないか。不倫をテーマにまとめられた作品群はやはりドキドキさせられる。2017/05/04
アコ
20
7篇収録。1990年から2000年に別の文庫で出版済作品を集めた傑作短篇集。著者の名前こそ存じ上げているも初読み。(検事・霞夕子シリーズなどドラマも観たことがない。)/繊細な心理描写と美しい文章はさすがだなと感じるも、あらゆる設定にずいぶん時代を感じてしまってイマイチ感情移入できず。再挑戦するか迷う。/著者に関心を持ったのは山村美紗の人生をまとめた「京都に女王と呼ばれた作家がいた」(花房観音 著)より。これ面白かったなぁ。2021/10/12
fumikaze
11
「誰知らぬ殺意」表題を含む、夏樹静子短編集。面白かった、…と思うのだが読み終わって1ヶ月近く経つと殆ど忘れている、情けない、後でもう一度読もう。2017/10/26
JKD
11
40歳前後のちょっと危険な男女による緻密な殺人計画のはずが、誰にも知らせられない後ろめたさのせいで、どこか抜けができてしまう。そういう姑息な場面がたくさん出てくるのでハラハラさせられる。正統派ミステリー。 2016/08/06
海星梨
9
KU。全員、シタ女なのはどーにかならんのか。二つ三つならまぁいいけど、七つともだかんな……。この短編傑作集、あと二冊あるけど、こちらも全員不倫してんのかな?2022/12/04