出版社内容情報
坂岡真[サカオカ シン]
内容説明
将軍の毒味役、鬼役を代々務めてきた矢背家。当主の蔵人介は、ついに自らの跡を継ぐ者として居候の卯三郎を試すこととする。命懸けの毒味、驚異の水練、死に物狂いの武芸、桁外れの早駆け…。卯三郎に次々に課されるのは想像を絶する試練だった。卯三郎はその試練を乗り越え、矢背家の跡目を継ぐことはできるのか。大好評シリーズ、涙と笑いと感動の第十八弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
90
前回は育ての親がなくなったことが大きな話でしたが、今回は主人公の跡継ぎが決まるという話です。ここでも実の血のつながった息子は学問好きで大阪に行っています。血のつながりのない隣家の息子を主人公の後継者として育て上げます。修行に耐えて最後はさまざまなところから関係者が集まります。今後の役割が楽しみになります。2024/08/08
いつでも母さん
86
いよいよ卯三郎の修行が始まる。頑張れと願いながら読み進む。人は社会的地位や宗教や肌の色では無い。どう生きているかだろう。どこの社会にも下位の者が自分を超えて出世するのを面白くないと思うのはあるだろさ。しかし、それを排除しようとするのはいかがなものか。そこまで驕る輩に明日は無い(キッパリ)『鬼役』は役目なのだ。卯三郎よ、修羅の道を進む君よ!今日ばかりは祝いの酒に酔うがいい。2016/07/10
とし
53
鬼役「跡目」18巻。鬼役の跡目を継ぐ事になった卯三郎さん、蔵人介から様々な試練を与えられるが、蔵人介も同様の道を辿ったことに納得し努力し報いようとする姿良いですね、次回が待ち遠しいですね。2016/10/11
えみ
49
天涯孤独の身となり、矢背家へ居候の身となった卯三郎。将軍家毒味役・矢背蔵人介の養子となりお役目の跡を継ぐため日々精進…。蔵人介にしてみれば、元々才能がある者を育てる楽しさと「鬼役」という死に近い役目を継がせること、更に裏の顔「幕臣の不正を断つ暗殺役」をも継がせる苦悩が押し寄せてきているのだろうと心の内を推測してしまう。その迷いを断ち切るかのように、矢背家にふさわしい品格を供えるための訓練を冷静沈着、時には熱くなるも、黙々と鍛錬を続ける卯三郎の姿に胸を打つ。もはや矢背家を継ぐのに不足はないと思われる。2024/05/04
ベルるるる
27
卯三郎が、人を殺す覚悟を求められる鬼役になれるのか。殺気を放たず、胸に渦巻くあらゆる情を殺し、平常心を保ち、役目と割り切り人を斬れるのか。鬼役として生きていく事を若い卯三郎に求めていいのか、蔵人介にも覚悟が求められる。2017/03/25