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内容説明
“日本人は、戦争から目を背けてきた。一九四五年から、そろそろ八〇年になろうというのに。その間、たとえば学校で、戦時国際法について教えてこなかった。国際条約の課す義務なのに。戦争について、ふつうの市民や学生が学び、自分の考えをもとう。本書はそう願って書かれた、軍事社会学の入門書である。”―戦争を理解し、平和を実現する能力を高める。戦争の危険性が高まる今こそ読んでおきたい、日本人のための新「戦争論」。
目次
序章 戦争とはなにか
第2章 古代の戦争
第3章 中世の戦争
第4章 火薬革命
第5章 グロチウスと国際法
第6章 クラウゼヴィッツの戦争論
第7章 マハンの海戦論
第8章 モルトケと参謀本部
第9章 第一次世界大戦とリデル・ハート
第10章 第二次世界大戦と核兵器
第11章 奇妙な日本軍
第12章 テロと未来の戦争
著者等紹介
橋爪大三郎[ハシズメダイサブロウ]
1948年神奈川県生まれ。社会学者。大学院大学至善館教授。東京大学大学院博士課程単位取得退学。1989~2013年、東京工業大学で勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
99trough99
25
ウクライナが続き、ガザで人が傷つき、台湾侵攻の脅威が取り沙汰される昨今。戦争関連の本を読むことが増えたが、本書は識者による大学での「軍事社会学」講義を再録したもの。第一次世界大戦までの戦争論の歴史は、やや難しかったが(とはいえ、クラウゼヴィッツの戦争論には深く同意)、太平洋戦争から、戦後日本のたどった道の分析、そして現代のテロと戦争の違いなど、納得感の高い読後を得られた。何度も読むべきですね、これは。2024/03/16
こも 旧柏バカ一代
25
7年前に出版された本を加筆した本だった。確かに戦争の社会学だった。古代、統治の下で軍隊が組織されて農民兵が権威を持って市民になったりしている。中世は領主達が独自に軍事力を持っていたか、、そして、フランスのナポレオンの時代になって銃とナショナリズムを煽ってヨーロッパを蹂躙。第一次世界大戦でトータルウォーへ以降。第二次世界大戦では日本の失敗を散々書き殴って。冷戦に移行して、タリバンのテロをキッカケにテロとの戦いになる。そして、戦死者を出さない機械の兵器を紹介して終わる。2023/06/13
ta_chanko
16
古代から現代までの戦争を一通り学べる一冊。青銅器時代には貴族が政治や軍事を独占していたが、鉄器時代に入ると武器を量産できるようになり農民兵も戦闘に参加。また馬に騎乗できなかった時代には戦車が主力だったが、鐙の開発により自由度の高い騎兵が生まれた。そして長らく、遊牧民の騎馬隊が最強の軍団だった。火薬兵器が登場するまでは。火薬兵器は騎士や傭兵の時代も終わらせ、戦争も大規模化。国家の生産力が問われるようになると、国民国家が形成されて徴兵制がしかれ、総力戦体制に。そして核兵器が開発されると、冷戦やテロの時代に。2023/07/27
templecity
7
戦争は国家で行うので、国際法上は犯罪にはならない。なので現代では部族や特定の集団がテロや殺戮を行うと犯罪となる。武器の変遷で戦略も変わってくる。 2023/08/20
乱読家 護る会支持!
5
古代から近未来までの「戦争の仕方」の歴史を学ぶ本です。 日本は、いつ戦争が起こってもおかしくない情勢下にあり、この本は国民の命をどうやったら守れるかを考えるキッカケになると思います。 この本も強くオススメします。2024/04/23