出版社内容情報
私立女子大・若葉学園。理想の教育の園たる学園は、陰湿な策謀入り乱れる“混声の森”と化していた。教育界の腐敗をつく問題作。
内容説明
東京近郊に広大な敷地と白亜の近代校舎をもつ私立女子大学・若葉学園。校地買収で功績を上げ専務理事にのし上がった石田謙一だが、彼には大島圭蔵理事長の椅子を奪うという、さらなる野心があった。理事長と女性職員との関係を握った謙一は、そのスキャンダルを暴き理事長失脚を図るが、彼自身もまたバーのマダムとの情事や一人息子の非行という秘密を抱えていた…。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年北九州市生まれ。給仕、印刷工などの職業を経て、朝日新聞西部本社に入社。懸賞小説に応募入選した「西郷札」が直木賞候補となり、’53年に「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。’58年に刊行された『点と線』は、推理小説界に「社会派」の新風を呼び、空前の松本清張ブームを招来した。’92年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei302
58
東京近郊に広大な敷地と白亜の近代校舎をもつ私立女子大学:若葉学園。校地買収で功績を上げ専務理事にのし上がった石田謙一、嫌なヤツです。これって、清張先生の女性観なのか? 今なら大問題です。先生、宇治山田は駅の名前です。下巻へ~。2022/07/27
竹園和明
37
………えー、組織のトップを狙っている皆さん。身近にいる人達をよーく眺めてみて下さい。親密な人にほど、付き合い方を間違えると足元を掬われ易いものです。…足元を掬われる原因の第一位と言えば……。(『古畑任三郎』の冒頭シーン風) 下巻へ続く。 2022/04/15
Book Lover Mr.Garakuta
13
図書館本再読:それなりに面白かった。2021/02/13
Book Lover Mr.Garakuta
9
速読の練習:期待したほどの作品ではなかった。2019/05/11
ランラン
8
学問の世界の魑魅魍魎とした内部の様子が伝わってくる。清張の学校の世俗的な欲望を明らかにする様子は読みごたえがあった。2021/09/04