光文社文庫<br> 蜘蛛の夢 (新装版)

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光文社文庫
蜘蛛の夢 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 290p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334768645
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

雷鳴轟く激しい夕立が過ぎ去った四谷石切横町の一角、天をつく大銀杏の袂で雷に撃たれた若い美女の死体が!すぐそばには青い大蛇の骸が転がり、その奇怪な構図が見物人の背筋を凍らせた。女は芸妓あがりのあばずれで、蜘蛛の賭博に絡みがあるらしいが…。(『蜘蛛の夢』)。根強い人気を誇る「半七捕物帳」シリーズ同様怪奇趣味に溢れた探偵譚、全十二編を収録!

著者等紹介

岡本綺堂[オカモトキドウ]
1872(明治5)年、元幕臣で英国公使館勤務の岡本純(維新前は敬之助)の長男・敬二として東京高輪に生まれる。幼少より漢詩、英語、演劇の素養を身につけ、19歳で東京日日新聞に入社、ほどなく狂綺堂と号し、劇評の筆を執る。小説、戯曲、随筆、翻訳など膨大な作品を遺し、現在もなお多くの信奉者を持つ。1939年3月1日没、都立青山霊園に眠る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

63
青蛙堂続編。著者の小説は怪談でも探偵小説であっても、その滋味溢れる水の様な読み心地は変わらない。これは文章と同時に東京と江戸が同時に存在した時代に感じる奇妙なノスタルジアに関係するのかなあ。本書に収録された作品も江戸の世と文明開化後、それぞれを描いてまたそれが入り混じる様が堪らない。探偵譚と言いながら明確な解決が着くものは案外少ないが、それでも当時の巷説を読んでいるような心地もするし。一読気に入ったのは表題作と「有喜世新聞の話」「慈悲心鳥」等、これらを含め憂世の哀しさを感じさせる様が堪らない話であった。2021/01/27

Yu。

31
その死は人の手によるものなのか‥ それとも。。合理性と非合理性の狭間を縫って歩く感覚に魅せられる12篇の綺堂劇場。お気に入りは、知りたい‥ 本当のトコが知りたい‥ がそこをどう捉えるかによって味わいが変わる「平造とお鶴」「有喜世新聞の話」。2018/12/04

佳乃

19
今回も青蛙堂主が催す会にて語られた探偵談話。前回とは趣向が違うのだが、怪奇談を期待していただけにちょっととっかかりがうまくいかなかった・・・。けれど、そこはやはり話に引き込まれてしまって面白く読了。2018/03/21

澤水月

14
既読本未収録の「廿九日の牡丹餅」だけ読む。「酷暑の7月みそかの前の日」に湧いた都市伝説的な噂流布、気風のいい女。独身の師匠は半玄人的に「みそかに妾にお手当て(今と用法同じ言葉!)」持って来る旦那がいるなど風俗情報がとにかく面白く人物描写がいい。事件と犯人見立てと真相が今の推理小説からすると甘いかもしれないが滅法面白い。綺堂自身が1936年に編んだ短編集最終7巻の『怪獣』、18年秋に再刊完結した中公文庫版に収録されていないのはなぜだろう…2018/11/08

アカツキ

10
ちょっと怪奇なところのある探偵譚12作品収録。程よく古い文体は雰囲気があり、それでいて読みやすいところが良い。面白かった、ショートショートの量でも満足感がある。スッキリしたいという人には向かないかもしれない。好きなのは、居候娘の謀略「有喜世新聞の話」。存在が猛毒の魔性の女。彼女のその後が気になるが、それ以上に彼女の生家での話が読みたい。先生、書いてないんですか?!2024/10/17

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