内容説明
森のペンションに集った十人の男女。恐喝を受けた相手を全員で協力し殺害するが、裏切り者がいることが判明する。殺人に手を下さなかった一人は誰だ?(表題作)。その他、閉鎖された宇宙訓練施設で起こる毒ガス殺人事件(「星風よ、淀みに吹け」)、父の遺言の不審点を調べるうちに、壮大な謎に遭遇する少女の物語(「くばり神の紀」)など、絶妙なトリックの三編を集めた傑作集。
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年、岐阜県生まれ。’93年、「リトルスター」で第3回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作入選。’96年、『まずは一報ポプラパレスより』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞。2014年7月、『コロロギ岳から木星トロヤへ』で4度目の星雲賞を受賞。’05年には、『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」第1位に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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セウテス
84
SF作家である作者の、初のミステリ集で3作の中編。「星風よ~」は、SF作家らしい宇宙計画の為の閉鎖空間で起こる殺人事件。科学的なトリックも、宇宙飛行士の感情描写も、ある意味本当のクローズドサークルならではの謎で良かった。「トネイロ会の非殺人事件」は、不思議なタイトルに首をかしげる。それは殺人を行った筈の10人の中から、実は殺人行動を取らなかった裏切り者を探し出すと言う意味なのだ。勿論初めての設定であったし、何故仲間を裏切ったのかにも興味はわいた。最後にどんでん返しが準備されていた事、タイトルの謎も面白い。2018/10/17
coco夏ko10角
31
表題作が面白かった。ペンションに集まった十人の男女、全員で協力して一人の男を殺害するが裏切者・非殺人者が…?予想通りの展開と思ってたらそんなことはなく、最後まで楽しめた。 星風よ、淀みに吹け/くばり神の紀/トネイロ会の非殺人事件2016/12/21
miroku
22
ホラーではなくミステリ。SFではなくミステリ。非殺人犯を見つけ出すミステリ。全て一捻りが効いていて、全てハートフル。ああ・・・小川一水さんだぁ。2016/09/04
かおりっくま
15
短編集。SFっぽいミステリー、ミステリーっぽいSF、どんでん返しなミステリー、とバラエティーに富んでいてそれぞれ面白い2015/07/07
緋莢
15
卑劣な脅迫者を全員で協力し、殺害した10人の男女。だが、その過程で 殺人に手を下さなかったものがいる事が判明する。仲間を裏切り、殺さなかったものは誰か?表題作他、閉鎖された宇宙訓練施設での殺人事件、父の不審な遺言の謎を探る少女の話の三編を収録した作品集。2015/01/13