内容説明
城に帰還した父王アンドラゴラスの命により、事実上追放の身となったアルスラーン。五万の兵を集めるまでは帰れぬ運命となった。つき従うのは、ダリューン、ナルサスをはじめとしたわずか七人の側近のみ。一行はパルス随一の港町ギランへ―。そこで待ち受けていたのは、海上商人を脅かす海賊たちとの戦いだった。新たな冒険の始まりに胸躍るシリーズ第六弾!
著者等紹介
田中芳樹[タナカヨシキ]
1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。’78年、「緑の草原に…」で幻影城新人賞を受賞。’88年『銀河英雄伝説』で星雲賞(長編部門)受賞。2006年『ラインの虜囚』でうつのみやこども賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
76
表紙にもお目見えしているキシュワードの双刀遣いが発揮された巻。でも同胞である筈のエステルがアルスラーン一行との待遇を比べる場面で逆境に追い詰められたルシタニア軍の人心の荒廃ぶりがより一層、強まったのが遣る瀬無かったですね・・・。後、王位継承のためにイリーナ姫を使うギスカールは外道。一方、アルスラーン一行は海上外交の要所を把握すべく、海賊や奴隷売買の黒幕退治と楽しそう。やはり、臣下の進言を受け入れた上、自分でも考えるアルスラーンは良い王様になりそうですね。そしてダリューンの殿下に対するSECOM感ェ・・・2015/06/19
カピバラ
63
仲間の数は何万から、またもとの何人かに戻っちゃったけど、なんだか嬉しそうなアルスラーン。ギランの街では冒険が色々あり、面白かった~。ナルサスの旧友は残念なやつだったな・・・。2015/11/10
エンリケ
44
再び仲間数人の道行きとなったアルスラーン。大軍同士の戦いも良いがこちらも冒険譚的で面白い。ほぼ出揃った感の有るメインキャスト達は立場こそ違うが自らの道を貫こうと奮闘する。多彩な登場人物達を縦横に描き切る作者の才能は素晴らしい。アルスラーンと言えば港町ギランで海賊退治。海賊王の秘宝のお話が出てきた時はこのままワンピースの様な展開に成るのかと驚いた。ただ本筋は王都奪回。3人のパルス王族に攻め込まれるルシタニアの王弟ギスカールこそ不幸の極み。この物語で一番悩み事が多いのは彼かも知れない。次巻はいよいよ決戦か。2015/07/06
万葉語り
40
5万人の兵士を集めるため港町ギランにきたアルスラーンご一行様。やっぱりナルサスが素敵。ちょっと暁のヨナに似てるかなって思う。順番的には逆か。2016-972016/04/17
ミホ
36
アルスラーン戦記《6》解説でこちら閑話休題と書かれてましたけど、なんのその全然面白かったじゃないか!怒涛ほどではないけれど物事は動いたじゃないか!と、息巻いたのですが、どうやら次の巻がとんでもない顛末らしい。毎回凄い凄いと読んでいるけれど一部完結巻は読む手止められないよと脅されました(笑)アルスラーン御一行は個々が才ありブレない人物形成なことも又、読み手を惹きつけていると思う。海賊との戦いは、もうこの展開運びになんだか納得です。さて役者は揃いましての一部完結作を大事に読みたい。2019/07/23
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- 和書
- 月の王 角川文庫