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光文社文庫
地の骨〈上〉―松本清張プレミアム・ミステリー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 504p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334767587
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

大和大学助教授の稲木は、バーのマダム啓子との情事の帰途、入試問題草案を紛失した。前代未聞の不祥事の隠蔽処理に奔走する専務理事一派に対し、執拗に真相を追及する反主流派の川西教授。草案は美貌の事業家・楢沢莢子によって無事稲木へ届けられたが、一方、川西は啓子との浮気旅行の資金作りのため、裏口入学を斡旋する…。堕落した大学の内幕に切り込む問題作!

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年北九州市生まれ。給仕、印刷工などの職業を経て、朝日新聞西部本社に入社。懸賞小説に応募入選した「西郷札」が直木賞候補となり、’53年に「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。’58年に刊行された『点と線』は、推理小説界に「社会派」の新風を呼び、空前の松本清張ブームを招来した。ミステリーから、歴史時代小説、そして古代史、近現代史の論考など、その旺盛な執筆活動は多岐にわたり、生涯を第一線の作家として送った。’92年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

38
執筆40年前だが、平成27年の出来事と言っても通用しそうな風が吹いている。あ~象牙の塔だ(今時、死語?)といえる人物の蠢き。溝池の中、私大の教官と事務、都市銀行の外務、そしてバーのママとホテル経営の女が出来すぎる偶然で近寄って行く。通常なら「出来過ぎの設定」と揶揄するところだけど、清張ものだから許せる。面白くて、止まらない。稲木、川西の俗っぽい駒が講義そっちのけで首都高を走り回る。その中で登場する竹岡といい上條といい「痩身白髪寡黙」に笑う。今でもいそうなキャラ設定とはき違えのアカデミズム。あ~下巻が楽しみ2015/10/04

こういち

9
当世におけるガバナンスやコンプライアンスが確立されていない時代、人は何を思い求めて組織に属していたのだろう。本書では、当時の私大経営に底流するお金や派閥の有り様、銀行の顧客情報管理など、時は流れても今に繋がる人間の具有するカルマに翻弄される。それにしても、主人公・稲木の独白箇所のコテコテさは、まるでハウスの「こくまろカレー」並みのとろみ感。さて、それぞれが抱く思いがどのように結ばれて、どんな形を描いて見せるのか。2014/06/21

ランラン

7
大学助教授の入試問題紛失から始まる。学校教育現場で起こっている問題について鋭く切り込んでいる。2021/10/02

moleskine_note

3
「象牙の塔」を舞台に大学の闇を描いていくのか?個人の闇を描いていくのか?下巻に期待。2014/07/06

Kanegon

2
初めて松本作品を読ませていただきました。流石の展開で、ドラマ同様に引き込まれていきます。星は下巻のあとで。2021/11/01

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