内容説明
将軍家毒味役の矢背蔵人介の息子・鐡太郎が、剣術道場でいじめに遭う。そんな鐡太郎に「別の才能」があることを見抜き、救ってくれた恩人が濡れ衣を着せられ殺害された。怒り心頭に発した鐡太郎は恩人の仇討に向かい、逆に囚われてしまう。息子を助けに走る蔵人介。腰の長柄刀・来国次が奸臣どもに唸りを上げる!人気大爆発の鬼役シリーズ、爽快感充填の第十一弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
95
このシリーズも11作目となり、いつまで主人公はお毒見役をやっていくのでしょうか。今回は短編3作が収められていて親子の情愛が中心となっている気がしました。最初はどちらかというと花の菖蒲に関するものでこのようなものまでも金儲けの手段にするとは・・・・。また子供を生活のために捨てるということも起きますが、主人公がそれに絡んできて家族を巻き込みことになります。最後は、学問の方が好きな主人公の息子に関するもので、いじめのような問題が生じます。2024/06/27
はつばあば
56
子は親がなんたるかを見て育つ。「親が親なら子も子よ」「親の七光」といろいろ云われないように親として子として励む。ましてや武士には身分の格差が強すぎる。権力に胡坐をかいて自己鍛錬を怠る悪漢を打ちのめす蔵人介。あのひ弱そうな鐡太郎が、父親に委縮してるのではないだろうかと心配していたのですが・・それほどまでに父親を誇りに思っていたとは嬉しい喜びです。恩人の仇討、さすが鬼役の子!2017/01/26
とし
53
鬼役「矜持」11巻。御小姓組番頭橘右近の暗殺命令は無く、矢背蔵人介自らの判断で悪を切る物語、矢背ファミリー総出演大活躍、鐡太郎の成長すごいね。2014/06/21
えみ
43
戻ってきた。将軍家毒味役として任に励む一方、幕臣の不正を断つ暗殺役としての裏の顔を持つ矢背蔵人介が!前作の日の下で目いっぱい活躍する蔵人介もよかったが、やはり表立って活躍しない誰にも知られない正義の成敗に励む彼がいい。「おかえりなさい」感が強い。そして美しい花を愛でることと、家族を大切に思う女性の芯の強さ、子どもを不器用ながらも大きく包み込むような父親の愛。これはいつの時代も変わらないものだと改めて感じた一冊だった。蔵人介の息子・鐵太郎が師匠と慕う優秀な旗本が自ら命を絶った。そこに渦巻く陰謀に剣を振るう!2024/03/17
ベルるるる
23
鐡太郎が命を捨てる覚悟で大切な師匠の仇討ちに行く。「鬼役の子としての矜持だ」と言う鐡太郎。剣術に才能はないかもしれないけど、心は強い。2017/01/31