光文社文庫
黒の回廊―松本清張プレミアム・ミステリー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 606p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334766979
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

女性限定の25日間ヨーロッパ・ツアー旅行「ローズ・ツア」が企画された。一行30人は添乗員、講師と共に出発したが、職業も年齢もバラバラな参加者の間に、早くも女性特有の虚栄心と嫉妬が交錯する。すると、乗り継ぎのアンカレッジ、最初の観光地・コペンハーゲンで“怪事件”が連続し、スコットランドではついに参加者の殺害事件が…。緊迫感溢れる傑作長編推理!

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年北九州市生まれ。給仕、印刷工などの職業を経て、朝日新聞西部本社に入社。懸賞小説に応募入選した「西郷札」が直木賞候補となり、’53年に「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。’58年に刊行された『点と線』は、推理小説界に「社会派」の新風を呼び、空前の松本清張ブームを招来した。ミステリーから、歴史時代小説、そして古代史、近現代史の論考など、その旺盛な執筆活動は多岐にわたり、生涯を第一線の作家として送った。’92年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

48
動機は女の戦後史のカタストロフィだった。とっつきから2割は延々と状況説明。なんともだるいばかりの軽い流れ。助勢ばかりの異色ツァーに起きる奇異な出来事は怪しげな人物を浮き彫りにさせ、伏線を回収していく。土方女史の蘊蓄ガイド、地元刑事の質疑応答等さらに流れを屈曲させてラストへ。やはり、昭和史の清張!戦後のGIに闇の女、婦人科医者を絡ませるとは。ツァー参加者がうじゃうじゃ居るなかを絞り上げるのに雑な感が合ったけど、まぁ着地はストンでした。2015/10/09

セウテス

45
女性限定のヨーロッパ観光、25日間のパックツアーの最中に起こる殺人事件です。戦後復興を成し遂げた証明の様な海外旅行ツアーに、当時の背景や変化してきた日本女性への、複雑な思いが読み取れます。序盤から何となく違和感のある説明があり、その様な事がきちんと伏線になっているのですが、ヨーロッパの美しい景色と客の間に生まれる感情の縺れに、サスペンス感が満載で読む手が止まりません。前半に蒔かれた伏線が後半に見事に収束するのは圧巻で、登場人物の人となりや犯人の動機など、丁寧に細かく作り込まれた人物像が納得させる作品です。2014/07/27

Nozomi Masuko

32
女性限定の25日間のヨーロッパツアーを舞台に連続して起こる怪事件。スコットランドでは参加者2名の殺人事件までー。一行30人の参加者同士の虚栄心と嫉妬が交錯する緊迫感溢れる傑作長編推理小説。600ページの長編なので、なかなか手が出なかった作品だけど、ひさしぶりに松本節に触れたく。あっという間に読了&女性の心理をよく描写しているし、最後まで動機も犯人もわからず。自分も一行の1人のような錯覚まで。笑。最近松本作品読めてなかったけど、やっぱり好きだなー。2016/10/09

きのこ

21
清張節炸裂。なんと繊細な心情描写、なんと雑な謎解き、なんとCoolなエンディング、たまりません。懐かしいスカンディナビアやスイス各地の風景も蘇って、楽しかった。2016/05/31

こういち

13
コペンハーゲンからロンドン、スコットランド、スイスに至る展開は、旅情感に満ち溢れ、何時しか地図を片手に彼の地に思いは馳せる。30名の女性で編成されたツアーは、来たるべき事件の予感を奮い立たせ、旅に出たとき味わう独特な高揚感と溶け合う。華々しくも右肩上がりの経済成長期、誰もが戦後の生き様を胸に秘め駆け上がって行かなければならなかった。そんな時代の一コマが流麗な筆致で彩飾された。2014/03/09

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