内容説明
リサイクルショップ・カササギは今日も賑やかだ。理屈屋の店長・華沙々木と、いつも売れない品物ばかり引き取ってくる日暮、店に入り浸る中学生の菜美。そんな三人の前で、四季を彩る4つの事件が起こる。「僕が事件を解決しよう」華沙々木が『マーフィーの法則』を片手に探偵役に乗り出すと、いつも話がこんがらがるのだ…。心がほっと温まる連作ミステリー。
著者等紹介
道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年、東京都出身。2004年、『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。’07年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞受賞。’09年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞受賞。’10年『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞受賞、『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞。’11年『月と蟹』で第144回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takaC
191
「ミステリであることは小説としての何かを諦めなければならないことを意味しない。」うん、同意する。でもな、何かを諦めたミステリというのもそれはそれで好きだけど。2014/04/01
hiro
177
男二人、乗り物は軽トラ、商売は便利屋に近い?リサイクルショップということから、しをんさんの『まほろ駅前シリーズ』を思い浮かべて読み出した。しかし、謎解きに関していえば、華沙々木の変てこな推理と、日暮の‘嘘’を見抜く鋭い推理は、『名探偵コナン』の毛利小五郎とコナンのそれに近かったw 各短編冒頭の住職のくだりは、最初は不必要だと思ったが、やはり最後はうまくまとめた。道尾さんの作品の中では軽めの作品で、もう少し変化がほしかったが、各短編を読み終えるごとにほっこりでき、安心して読める作品だと思う。2014/03/18
ナルピーチ
157
『リサイクルショップ・カササギ』を舞台に、優れた洞察力と観察眼を持つものの、ちょっと期待外れな“迷”推理を披露する店長の“華沙々木”と、影で上手く立回り、謎を解いていく副店長の“日暮”。そしてお店に出入りする中学生の“菜美”。そんな三人の前に降り掛かる四季折々の4つの難事件とは?!三人のチームバランスがとても心地良く、アットホームな雰囲気で進む物語は、まさに心が温まるほっこり系ミステリー!徐々に寒さが辛くなってくるこの季節、お茶を片手にε-(´∀`*)ホッと一息つく事ができました🍵2022/10/27
nobby
138
“陽”の道尾作品。菜美のため、華沙々木の勝手な推理の後始末に明け暮れる日暮。この3人の関係性が絶妙。途中出てくるナデシコの花言葉、魚座の話、蜜柑籠とか何気ない言葉や雑学を絡めていくのは作者ならでは。何より各章冒頭に出てくる和尚に笑えるけど、しっかり物語を締める存在。続きを読みたいが、多分バレてるから無理だろうなぁ(笑)2014/02/21
ちびめろ
137
【借り本】この作家さん初読みでした。気にはなっていたのですが、たまたま自宅のソファに落ちていた(置いてあったとも言う)ので、読ませて頂きました。キャラクターもミステリーもしっかりしていて、面白かったです。カササギ氏は誰かが注意してあげないと…と思いながら、日暮氏の推理でスッキリ読み終えることができました。そんな所にもこの作家さんの巧みさを感じました。他の本も読んでみたくなりました。2016/04/09