光文社文庫
山峡の章―松本清張プレミアム・ミステリー

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 418p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334766849
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

朝川昌子は九州旅行で出会った経済官僚の堀沢と結婚する。エリートの堀沢の冷たさに違和感を覚える日々が続くが、結婚生活は突如崩壊する。堀沢と昌子の妹の伶子が失踪し、宮城県山中で死体となって発見されたのだ。二人は不倫心中と見なされ、堀沢にはスパイ疑惑までもが。昌子は自ら真相究明に乗り出す…。若手官僚の死の謎に秘められた国際的陰謀を描く傑作!

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年北九州市生まれ。給仕、印刷工などの職業を経て、朝日新聞西部本社に入社。懸賞小説に応募入選した「西郷札」が直木賞候補となり、’53年に「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。’58年に刊行された『点と線』は、推理小説に「社会派」の新風を呼び、空前の松本清張ブームを招来した。ミステリーから、歴史時代小説、そして古代史、近現代史の論考など、その旺盛な執筆活動は多岐にわたり、生涯を第一線の作家として送った。’92年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

39
清張モノにしては駄作かな。人物の掘り下げがあっさりし過ぎ。今の時代なら、尚更。堀沢が自己保身から走る陰謀の転落回路に納得行かない。昌子との馴れ初めもアバウト過ぎる…まして、伶子の有り様。いくらキャピキャピしているとはいえ、簡単に情死に至る途が荒すぎる。この時代背景を推せばソビエト、薬、闇の真相がどす暗いだけに、設定からの流れに不満多いにある。まぁ、だからこそ、あっさり読めたけど。2015/10/06

Yu。

25
旅で出逢った青年と交際を経て結婚する主人公‥ 幸せな生活を送れると思っていたのだが。。知らぬは本人ばかりという、謎尽くしな人間関係から巻き起こる怒涛の展開が本作の真骨頂なのは分かるのですが、その“関係性”が(あまりに話を広げ過ぎて)薄っぺらに感じてしまう所が残念‥ 個人的には、似たような入り口から始まる『ゼロの焦点』の方が断然好みです。2020/06/26

reading

13
昭和の雰囲気が漂い時代を感じた。現代作家のミステリーとは違った味わいがあった。夫の死後、真相究明のためとはいえ、女中の仕事をする昌子には違和感があった。国際的陰謀が描かれているが、どの時代にも一般庶民には知られていない裏の世界があるのがわかった。2018/08/03

きのこ

12
しつこいまでの心情描写はさすが清張。後味も割とすっきり。面白かった。2015/05/01

こういち

11
取り巻く真相へ一つひとつ迫り行く筆致は、まるで磁石にでも吸い寄せられるが如く読み手を誘う。半世紀前に綴られたストーリーが全く色褪せることなく、鮮やかに心理を照らす。「人間は、自分の生活に触れるものだけを実感として受け取る」と著者は語る。されど、いまだ見ぬ作並温泉から見える情景は自らの逞しき想像力を活性化させ、時空の壁を解き放つ。まさにプレミアムな一時は、コクの有る珈琲に似て味わい深く、また悦なものである。2014/01/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7893096
  • ご注意事項