内容説明
小伝馬町の牢から火が出て、罪人たちが切放になった。その後、戻ってこなかった囚人に勘定所道中方の役人がいた。勘定奉行の父の命を受けた夏目影二郎は、行方を断った役人の所在をつき止め、始末する旅に出るが、行く先に巨悪の影が…。鏡新明智流の豪剣で悪に立ち向かう。佐伯泰英の原点ともいえるシリーズ決定版の第三弾!巻末に佐伯泰英外伝を特別収録。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。大学卒業後、闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計4000万部突破の快挙を成し遂げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
54
新たに短筒が加わる。時は、天保十年(1839)正月。旗本三千二百石、勘定奉行の常盤豊後守秀信は、火をつけて小伝馬町の牢屋敷から逃げた者たちの探索を影二郎に依頼する。影二郎は、桃井の鬼といわれた鏡新明智流、桃井春蔵道場の師範代であった。秀信の部下である勘定奉行所監察方の菱沼喜十郎は、道雪派の弓の名人。喜十郎の娘のおこまは、信州佐久の川上村金峰の里の礼五郎から奪った亜米利加製の古留止連発式短筒。この三人と二歳半になった成犬のあかとで金峰一族が不正に蓄財した十万両を探索します。2024/10/10
かいちゃん
30
奉行がおこなう娑婆の掃除、といういい方、ひどく気に入りました。続きが楽しみです。それにしてもよく歩くわぁ、現代では考えられない歩く距離だわ。2020/11/25
harhy
17
小伝馬町の牢の出火から始まる密輸の不正の謎解きと始末の旅。大目付も絡み、事件のスケールが大きくて、冷静な判断力と無敵さで立ち回る影二郎が牢内で暴く、最後の意外な結末も面白い。2016/09/25
Syo
11
これまた凄い2025/02/28
とく たま
5
入牢から赤猫からの切放。その後の逃走、全て巧妙な企みだったみたいなで、影二郎は結局のところ踊らされたことになる・・みたいな(--;) 長い始末旅でページも多い!巻を追う毎に微妙に面白くなっているのかな?!2022/11/03