光文社文庫
アムステルダム運河殺人事件―松本清張プレミアム・ミステリー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 278p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334765590
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

アムステルダムの運河に浮かぶトランクから死体が見つかった。首、両脚、両手首が切断された死体は日本人商社マンのものと判明するが、捜査は進まず迷宮入りに。そこで記者である「私」は友人の医者と共に調査に乗り出す。一九六五年に起きた実際の事件を著者が謎解く表題作。ゴルフの聖地を舞台とした日本人変死事件「セント・アンドリュースの事件」も併載。

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年北九州市生まれ。給仕、印刷工などの職業を経て、朝日新聞西部本社に入社。懸賞小説に応募入選した「西郷札」が直木賞候補となり、’53年に「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。’58年に刊行された『点と線』は、推理小説界に「社会派」の新風を呼び、空前の松本清張ブームを招来した。ミステリーから、歴史時代小説、そして古代史、近現代史の論考など、その旺盛な執筆活動は多岐にわたり、生涯を第一線の作家として送った。’92年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

74
エドガー・アラン・ポーの『マリイ・ロージェ事件』を模して、実際に起こった未解決事件を作者なりに推理してみた作品。ポーが考え出した探偵オーギュスト・デュパンをヒントにコナン・ドイルが考え出したシャーロック・ホームズとワトソン博士になぞらえた新聞記者と医者が、推理を披露する。二人の推理はそれぞれに別の犯人を導きだすが、どちらも、まあそういうこともあるかもしれないという程度。『セント・アンドリュースの事件』は、金持ちによくありそうな話。げに恐ろしきは、女。2019/11/30

竹園和明

34
【再読】面白かった記憶だけ残っていたので再び手にした清張本。松本清張らしからぬベタなタイトルが異質さを逆に際立たせているような。オランダで実際にあった迷宮入り事件を取り上げ、そこに架空の医者と記者を投入させて彼らが真相を推理する…という作り。要するに100%松本清張の推察という事だ。トランク詰めされたバラバラ死体の殺人犯と目された日本人商社マンが自動車事故で死亡。オランダ警察も周辺の人々も皆彼が犯人と言うが、果たして本当なのか。松本清張の推理とその根拠が示されるラストへ向かう展開がシンプルに面白かった。2020/07/16

C-biscuit

14
図書館で借りる。この本はタイトルの「アムステルダム運河殺人事件」と「セント・アンドリュースの事件」の二本立てになっている。あとがきにあったが、松本清張が20日間にわたりヨーロッパ旅行で取材をした成果であるようで、地名やその場の雰囲気が細かく描写されているように感じる。もっとも、自分がアムステルダム等に行ったことがないため、地理がわかりづらかった。ただし、犯人の推理は面白く、登場人物も限られているので、シンプルに楽しめた。もう一遍は少し短かい構成で、日本の旅情ミステリーのように感じた。こちらも面白かった。2016/03/26

Kouro-hou

11
松本清張版「マリー・ロジェの謎」。オランダで河に浮いていたトランクから男性の首&手首脚無し死体が。トランクに入っていたパンツに日本語で「ゴムの交換はここから」と書いてあった事から日本人と特定され、ってそんな特定のされ方は嫌だーっ!! そんな実際の迷宮入り事件を架空の記者と医者が推理します。実際に松本清張と森本哲郎が数年後に現地取材をして書かれたものだそうな。話中では一応の結論が示されるものの、物語の性質的にすっきりしない。有りがちな治安悪げな場所でトラブって殺された説はつまらないと切り捨てる辺りは清いw2014/02/01

りこ

10
なかなか入り込めなかったが、ヨーロッパの地名がたくさんでてきて、まるで旅をしているかのような気分になれた。トリックなども、ややこし過ぎずシンプルに楽しめた。2017/02/11

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