内容説明
“包丁浪人”刀根新三郎の元にやって来た瓜実顔の美人、お幸。彼女の夫、鏡太郎が用心棒の仕事に出たきり戻ってこないと言う。早速、件の武家に“料理番”として潜り込んだ新三郎だったが、行方を探る中で物騒な謀り事に気付き―。「武家の料理番」他三編の短編を収録。料理と人情、そして華麗な剣技が魅力の新三郎が活躍する、「美味しい」時代シリーズ第三弾。文庫書下ろし連作時代小説。
著者等紹介
芦川淳一[アシカワジュンイチ]
1953年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪風のねこ@(=´ω`=)
87
お節介浪…もとい。包丁浪人新三郎みたび登場。ほんと危なっかしい事に首を突っ込んでいるので気が気でない。ただ好奇心以上に友人を思い遣る心は有るのである。なぜ表題ではなくかまいたちなのか。なぜ仇討ちを認めたのか。偏に料亭の焼き方に上がり、想い人と漸く一緒になろうとする栄吉の為なのである。前任が料理人の魂を穢したと知るや必ず心を痛めると判断したからだ。仇討ちをさせず下手人として引っ立てても同様である。ならばいっそ、と言う訳である。万一失敗したなら、かまいたちに遭ったのだろうと云うつもりだったに違いない。(続く)2016/07/25
ごへいもち
13
気に入っているのだけれどシリーズの巻数が少なくて残念2023/09/15
うずら
12
包丁浪人シリーズ第3弾。新三郎はお人よしでおせっかいで知りたがりなので、すぐに事件に首を突っ込んでしまう。でも、料理の腕もあるけれど、剣の腕もあるので、ちょっとやそっとのことでは命の危機には陥らないという安心要素。気楽にサラリと面白く読めました。2014/04/21
あかんべ
8
好きなことには口を出さずにはいられない。代わりの人を探さなくてはという声にはぜひ自分にやらせてくださいと頼み込む。普通の武士ではありえないこと。主持ちじゃないからそこは気楽なもの。2015/02/20
コブタ
5
テンポの良い話しはさすが。砂糖がいっぱい入った玉子焼きは昔からあったんだ。2015/08/29