内容説明
船頭として働く元南町奉行所の定町廻り同心、沢村伝次郎。ある日、派手な着物を着た女が数人の男女を引き連れて歩いているところを目撃する。翌朝、その一人が新大橋で女の土左衛門となってあがる。なぜ、謎に殺められたのか。探索を始めた伝次郎の前に深まっていく謎―。シリーズ初の大仕掛けの事件に伝次郎の勘と一刀流の剣が冴えわたる。シリーズ史上最高傑作。文庫書下ろし長編時代小説。
著者等紹介
稲葉稔[イナバミノル]
1955年熊本県生まれ。脚本家、放送作家などを経て、’94年作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
66
一刀流の遣い手で元南町奉行所定町廻り同心であった沢村伝次郎の活躍の物語です。伝次郎は、同心時代の者達を避けて大川の東側の深川で船頭をしている。剣の遣い手である浪人の大江正之助と美しい美代は、掏摸の角造の娘おかるを使って商家の旦那に美人局(つつもたせ)を行なう。世間体を気にする旦那を次々に餌食にするが。若いおかるが、美人局を行なった旦那を美代が殺した事から南町奉行所の本所見廻り同心の広瀬小一郎が探索を始める。そして伝次郎は、美代たちを目撃したのをきっかけに小一郎を助ける。→2022/11/19
とし
46
剣客船頭「洲崎雪舞」6巻。殺人事件の助を頼まて探索する伝次郎と宿敵津久間戒蔵が金を得るための辻斬りとが、同時進行して行くが最後の接点がなくちょっと残念な気がした。2014/03/23
アニータ
1
シリーズが進むにつれ、のめり込んで読んでいるいる自分がいます。捕り物的な要素が強くなっているのと、千草と伝次郎の仲が進んでいきそうなのと、津久間戒蔵との決戦が近づいている様子なのどで、続きを読むのが楽しみです。2021/01/21
Suzu
1
剣客船頭シリーズ第6弾。長編。ある日、伝次郎は派手な女を先頭におびえた感じの年配の男と若い女、そして数人の男たちの歩く姿を見た。翌日、その若い女が川から死体であがる。伝次郎は船頭仕事はお休みして同心の広瀬に頼まれ町方を手伝う。次々に殺人が起き謎は深まる。それと並行して津久間戒蔵もケチなチンピラに狙われる。何だかんだ津久間さんも死にそうだけど大丈夫か?そして千草とは付かず離れず。そして次巻に進む。2018/01/02
ひさか
1
6巻め。「シリーズ初の大仕掛けの事件」なんて書いてあるのでわくわくして読みましたが、そんなに大きくもない事件の捕物の助をする話で、大げさな紹介でした。いつものお節介伝次郎のほうが面白いです。宿敵津久間が伝次郎への報復を決意しましたが、どうなるか気になります。2013/04/24