内容説明
川に落ちた小娘を自ら飛び込んで救った渡り用人の片桐弦一郎。その人助けが噂になり、小大名小栗藩から仕事が舞い込む。将軍が上覧する水練競技に参加する者たちの指導だった。目を覆うばかりのひどい有様に苦悩する弦一郎だが、これをきっかけに、小栗藩の存在を揺るがす一大騒動に巻き込まれる―。鮮やかな筆致で読み手の心を掴む待望のシリーズ第四弾。
著者等紹介
藤原緋沙子[フジワラヒサコ]
高知県生まれ。立命館大学卒業。小松左京氏主宰「創翔塾」出身の時代小説作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
105
渡り用人 片桐弦一郎控「すみだ川」4巻。小栗藩に雇われた弦一郎さん、よせば良いのに江戸と国元の用人を引き受ける事に貧乏藩ながら藩主も、藩士も百姓までも良き人たちで気持良く読み終えました。お美和さんは今後どう関わってくるのかな。2017/10/21
ベルるるる
29
わずか1万石でたった16年で改易となって消えてしまった城跡に行ったばかりだったので、この物語の中の1万石の藩の話が私の中で重なってしまった。1万石って本当に大変だっただろうな。参勤交代もあるし江戸にも屋敷を構えないといけないし。隙を見せたら改易だし。2019/04/06
ごへいもち
14
どんな難題もサクサク解決。嫌な奴は大して粘らず退場。気楽で良い2024/01/24
ひかつば@呑ん読会堪能中
11
第4巻は隅田川での水練上覧競技に選ばれた小名藩にシンクロを教え、無事競技会を終えた後、小名藩の国元へゆき難儀を解決するという話。小さな藩ながら殿さま以下百姓まで皆素晴らしい人たちで、できすぎかなぁと思うところもあったが、何とも心地よい話だった。次の巻からは主役の旧藩に絡む新たな展開がありそうで、これも楽しみになった。2013/03/26
あかんべ
9
水練競技の指導に奮闘する弦一郎がいい。締め込み姿の男子シンクロ。見たいような見たくないような。小大名の小栗藩が上から下までつつましい生活をして、飢饉にも餓死者を出さなかったと自慢する姿が心地いい。その家老の娘お美知に迫られるが、こんな藩の家老になったりしたら苦労が目に見える。つい断りきれず仕事を請けてきた弦一郎。今後のかかわりは慎重に。2012/08/20